朝食のプレーンヨーグルトに甘さが欲しいのでジャムを加えている(昔は顆粒の砂糖が付いていたのにね)。最近のジャムは健康志向なので甘さが控えめで物足りない。それでソントンのジャムに切り替えたのだがその横に並んでいたピーナッツクリームが懐かしくてついでに買ってきた。アメリカのスーパーではこれでもかというくらいピーナッツバターが並んでいるけど、日本ではごくわずか。ソントンの製品もピーナッツバターではなくピーナッツクリームという名前だ。
thumbnail_IMG_20220704_110403528
ピーナッツバターはピーナッツだけで作られるのが普通だが、ソントンのピーナッツクリームは原材料表示を見ると(重量順に)水飴、砂糖、ピーナッツバター、植物油脂、ブドウ糖、乳蛋白、寒天などとある。子供が食べやすいように甘みを加え舌触りがなめらかで食べやすい。それでいてピーナッツの香りがして栄養もある。

もともとソントンのピーナッツクリームは大正後期に宣教師のソーントン師が布教の傍ら、栄養状態が悪い日本人のために本国から機械を取り寄せて製造販売し教会の維持費に充てていたものだった。ソントン創業者で熱心な信者であった石川郁二郎は師から製造方法を譲り受け、名前を使用する承諾も得て1942年に製造を開始し、1948年にソントンの前身となる会社を興した。当初はピーナッツバターに糖蜜を加えて食べやすくしたものだったが1952年に現製品に近い製品が開発されピーナッツクリームと名付けられた。これが街のパン屋の目に留まり当時流行っていたコッペパンの間に塗った商品が飛ぶように売れたという。

その後研究を重ねて紙容器を開発し1960年にFカップ(ファミリーカップ)を導入し缶容器、セロ袋、ポリ袋から切り替えに成功した。現在ではポリエチレン、バリアーフィルム、ポリエチレン、紙、ポリエチレンという5層構造を採用し香り成分も逃げなくなった。Fカップシリーズにはチョコレートクリームやキャラメルクリーム、ジャム類ではイチゴジャム、オレンジマーマレード、ブルーベリージャムなどが追加され9種類のラインナップとなっている。
tonchan
ソントンのFカップシリーズは高級品ではない。ピーナッツバターは通常数百円するし、有機のジャムや輸入ものには1000円を超えるものも多い。それらは確かにおいしい。しかし毎朝子供が食パンにいっぱい塗るのには向いていない。ソントンも最近素材のこだわった瓶入りの上位製品であるSun & Tableシリーズを出したが(残念ながら我が家の近辺では見かけない)、Fカップシリーズは100円強で売られている。家計には優しい製品と言うことができる。

10代から50代までの男女1万人に好きな「パンのおとも」を聞いた調査によると、2位にピーナッツクリーム、6位にイチゴジャム、8位にチョコレートクリーム、14位にブルーベリージャムと15位以内にソントンのFカップシリースが4商品も入っている。隠れたヒットシリーズと言うことができるし、その中でも2位に入ったピーナツクリームはスプレッド類の中ではトップクラスだ。食品の値上げが相次ぐ中でこれからもソントン製品は存在感を増すに違いない。



ランキング参加中です。クリックしていただけると励みになります。