去年から電気代とガス代の値上がりがものすごい。年金生活者の我が家も昨年は電気代が約4割、ガス代が約3割の増加になりました。産油国の減産で逼迫した石油をはじめ、石炭やLNGなども世界的な供給不足で値上がりしているところにウクライナで戦争が起きて物流費が上がり、おまけに昨年は急激な円安が起きて輸入価格が上がりました。それに加えて電力では原子力発電所の停止が電力供給量を下げ(この10年で全発電量の25%から4に減少)、老朽化した火力発電所の停止もあり、政府や電力会社は節電を要請するようになりました。電力会社は毎月再エネ賦課金と燃料費調整額を、ガス会社は原料費調整額を毎月のように上げざるを得なくなり、おかげで料金は前例がないくらいの値上がりです。東電のモデル料金はこんな感じです。
2023-01-17 (2)
再エネ賦課金は10年前の0.22円/kWhから3.36円へ15倍になり、燃料費調整額は上限がありますが大手の電力会社は既に上限に達してしまい上限を撤廃する会社も出ています。東電の燃料費調整額は1月には前月比+2.2円の12.99円/kWhと過去最高値を記録しました。この半年は毎月1~2円上がっています。上限を超えた分は会社が負担しているためほとんどの電力会社は赤字になり、そのため東電を含む6社は値上げ申請をしています(北海道電力は検討中、関電、中電、九電は申請せず)。3割強の値上げだと平均的家庭で月3~4000円の負担増でしょうか。260kwを超えると上昇率はもっと大きくなるようです。政府もこれに対応するため2月から10月の検針分に1kwあたり7円の補助金を出します。これにより2割程度の下落が可能となります(上のグラフだと激減に見えますが約2000円の下落です)。

しかし電力会社の値上げ申請率は平均で3割強なので、申請が承認されれば実質1割くらいの値上げとなりますが、数か月後に補助金が終われば3割強の値上げとなります。その段階で燃料費が上がっていればそれ以上の負担を覚悟しなければなりません。我が家は東京ガスの電気に切り替えたのですが、5%分はアマゾンのギフトカードをもらえるのですが、東京ガスは燃料費調整額に上限がないので値上がり幅がもうすこし大きいのが残念です。

昨年の平均世帯のガス料金は前年比約40%の上昇でした。ガス料金は電気より少し計算が簡単で基本料金+(基準単位料金+原料費調整額)X ガス使用量です。基本料金は使用量が増えれば上がりますが基準単位料金は使うほど単位価格は下がります。ここが使えば使うほど単位価格が上がる電気との違いです。昨今の値上がりは原料費調整額が上がっているせいです。2021年末には1.51円だったものが昨年末には59.34円に、そしてこの1月には68.87円へと激増です。30立方使う世帯なら2000円の増額です。ガスの調整額にも上限があるのですが、電気より緩く管理されているのでさらに上昇する可能性が高いと思われます。ガスにも来月から補助金が出るので(1立方あたり30円)30立方使用世帯なら900円の負担減です。ちょっと調整額の増加分には追いつきませんね。
2023-01-17 (1)
わが家は少し古めのマンションに見られるヒーツと言うセントラル暖冷房給湯システム(給湯、暖房と浴室での衣類乾燥に使っています)なのですが、これの値上がりもちょっとしたものです。一単位(MJ)当たりの価格は2001年までは3.81円だったのですが、昨年から上がり始め昨年末には6.83円まで上がり、この1月には7.32円になりました。2001年と比べると92%のアップです。おかげで1月のヒーツ代は3万を超えてしまいました。これにコンロのガス代が加わるのですから大変です。そのうえヒーツには緩和補助金も出そうもないので負担が増えます。

ネットではオール電化にしたらひと月の電気代が10万を超えた北海道の家庭や、電気代が払えなくなった芸人さんの話とか、どうやって電気やガスを節約しながらこの寒い冬を乗り切ろうかという工夫話でいっぱいです。これは日本だけのことではなく、英国では暖房費が倍になり「Heating or Eating」とまで言われているそうです。しかし、冬場の室温が5度温かい家に暮らす人の方が脳年齢が10歳若かったという慶応大学の研究がありますし、20度よりも25度の+5度の違いがタイピングミスを44%減らしタイプ文字数を5割増やしたというアメリカの研究結果もあるので、多少の出費増は覚悟でちょっぴりは温かい冬を過ごそうと思います。



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