マーケティング爺のひとりごと

外資系7社でチューインガムから抗癌剤までのマーケティングを生業としていた引退老人です。使えそうなデータや分析、気になった出来事、思い出、日々思うことなどをボケ防止のため綴っています。にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
にほんブログ村

2021年01月

人気ブロガーのちきりん氏が最近の投稿で家計管理と固定費の見直しの重要性を説いています。変動費を管理しようとすると、食費を切り詰めよう、交際費を節約しようという人生を楽しめない方向に進みかねないし、若い人にとっては人生を豊かにする機会や経験を犠牲にしてしまう可能性すらあります。一方固定費はあまり見直されることもなく、増えすぎるとそれを払うために働くという状態を生むことなります。固定費という、手をつけることを拒絶するような呼び方も問題なのかもしれません。
ちきりん氏が2019年時点での自分の固定費を公表しているので私もそれに倣って計算してみました。

ちきりん固定費コテイヒ 高齢者コウレイシャ世帯セタイ固定費コテイヒ
月額ゲツガク 年額ネンガク 月額ゲツガク 年額ネンガク
マンション管理カンリ積立ツミタテキン 22,250 267,000 32,420 389,040
固定コテイ資産税シサンゼイ 120,000 163,200
電気デンキ・ガス・水道費スイドウヒ 14,592 175,108 34,091 409,092
火災カサイ保険ホケン 5,000
地震ジシン保険ホケン 40,490
駐車場チュウシャジョウ 20,000 240,000
ネット回線カイセン固定コテイ電話デンワ 4,647 55,768 5,964 71,568
スマホ通信ツウシン 5,000 60,000 2,595 31,140
ネットケイ経費ケイヒ 1,750 21,000 734 8,808
コンテンツ課金カキン 4,632 55,584 498 5,976
NHK 22,920
スカパー 3,795 45,540
JAF 4,000
シェアオフィス 5,500 66,000
カード年会費ネンカイヒ 32,000 14,310
カシ金庫キンコ 14,000
スポーツジム 8,000 96,000
健康ケンコウ保険ホケン介護カイゴ保険ホケン 890,000 702,180
年金ネンキン保険ホケン 193,000
医療イリョウ保険ホケン 92,856
自動車ジドウシャゼイ 34,500
自動車ジドウシャ保険ホケン 22,830
固定費コテイヒケイ 172,782 2,073,380 189,628 2,275,530

これによると50代で兵庫県在住で独身と推定されるちきりん氏の固定費は年間で207万円、ひと月だと17万円強です。厳密にいうと光熱費は固定費ではなく健康保険&介護保険も前年の課税所得に応じて変動するので固定費とは呼べませんが便宜的に固定費としているようです。同様に前年所得で決まる住民税はここには含まれていません。
一方引退老人であるわが家の固定費は年間で227万、月あたり19万弱です。前年に年金以外に収入があったので健康保険&介護保険が例年より高めです。ちきりん氏にはない自動車関連の費用を除くと月に16万強に、健保が下がれば15万くらいになると思います。二つのブログ・アワードを受賞し現在10冊以上の著作の印税があるちきりん氏の課税所得と健保保険が高めであることも踏まえて言えることは、現役と引退老人の固定費に大きな差はない、つまり年をとっても固定費は収入の下落ほどには下がらないということです。

固定費の把握が何の役に立つのかというと、先日来話題になっている2000万円問題でしょう。無職高齢夫婦世帯の平均支出が月27万円弱であるのに対し、年金等の収入では5万円足りないから年60万、30年で2000万円が不足するから自助努力を、というものでした。現役時代に貯める、長く働く、お金に働いてもらう、収入内で生活する、が主たる選択肢でしょうが引退老人に採れる手は限られます。全国平均で見ると老人世帯では月に27万円の生活費の内固定費が約9万円ですが、大都市のマンション暮らしだと13万円くらいになると想定されます。

固定費以外に必要な支出は、食費、日用品、交通費、交際費、冠婚葬祭費、趣味への支出、被服費、医療費、家具・家電などで、全国平均では18万円位です(2017年家計調査)。とすると大都市圏でのマンション生活者は固定費13万+変動費18万の31万円位が必要となり、年金との不足額は月9万、年108万、30年で3240万となります。ゆとりのある老後生活のためにはそれに加えて月8~10万円が必要となると言われます(少し高すぎると思うが)。だからと言って生活費を削るために食費や交際費などの変動費を削減すると「非活動的な、節約ばっかりしてる人生」になってしまう、管理すべきは変動費でなく固定費だとちきりん氏言います。ただいつでも削れる変動費と比べ固定費は意識しないと削減しにくい出費です。だからファイナンシャルプランナーは保険を見直せ、携帯料金を再考しろ、光熱費を削減しろというのですね。

でも、こうやって家計の固定費を計算してみるだけでも意識は変わるかもしれません。これに加えて人生キャッシュフロー表を作成すると自分の老後が見えてきますよ。



ランキング参加中です。クリックしていただけると励みになります。

記憶に残っているテレビ番組(1)

子供のころ台所の一角に電蓄が置いてあった。上部にSPレコードプレイヤーがあり、一回ごとに鉄針を交換した。レコードを聴くことは殆どなくもっぱらラジオとして使われていた。ダイアルはNHKに合わせっぱなし。よく聞いたのは大相撲中継で、当時は千代の山、鏡里、吉葉山、栃錦の四横綱時代だった。あとは「ヤン坊ニン坊トン坊」で、「しっかり者のヤン坊、暴れん坊のニン坊、かわいいチビ助トン坊」のテーマ曲は今でも歌える。当時は失敗のできない生放送のため作者の飯沢匡が「大人で子供の声のだせる人」を基準にオーディションをしたので、男の子の役を大人の女性が演じた初めてのケースだと思う。里見京子の丸く柔らかな声と横山道代のぶっきらぼうさと黒柳徹子の幼なそうな声(今ならアニメでよくあるタイプの声だが当時は聞いたことがない声だった)を憶えている。その三人がそろって声を担当した人形劇が「チロリン村とクルミの木」だった。
2021-01-07 (3),
チロリン村が始まったのは1956年だから我が家にテレビが来た翌年だったと思う。まだCBCテレビ(中部日本放送)は開局されておらず、NHK一局だけしか放送されていなかった。それも夕方からの放送でスイッチを入れてもテストパターンばかりだった。最初は週一だったが数年後に月-金ベルト番組になった。放送を毎回楽しみにして見た最初の番組なのに中身はあまり憶えていない。印象に残っているのは三人をはじめとする声優陣の声だ。もぐらのモグモグ(辻村真人)、ねずみのタコチュウ(大竹宏)、ニンジンのお巡りさん(由利徹)、スカンクのガスパ(八波むと志)、アスパラのおっかさん(武智豊子)。その他にも後にNHK番組の常連になる川久保潔、太宰久雄、藤村有弘、若水ヤエ子、桜京美、一龍齋貞鳳鳳などが出演していて声優の登竜門のような番組だった。でも主役はあの三人で特に「ヤン坊ニン坊トン坊」で注目された新人黒柳徹子が人気を確固たるものにした。
2021-01-08 (2)
三人はNHK放送劇団第五期の同期生で、落ち着いている里見京子が一番年長と思っていたら黒柳徹子のほうが年上で最年長だった。地方に住む少年にとっては当時の黒柳徹子は東京の女性の典型だった、加賀まりこが出てくるまでは。個人的にはボーイッシュな横山道代が好きだった。チロリン村でも一人だけ男の子の声を担当している。黒柳徹子はその後も「ブーフーウー」、紅白歌合戦の司会、「若い季節」、「夢で逢いましょう」とNHKの売れっ子タレントとなる。早口でしゃべり続け、いろんな声を使い分けた。七色の声と言われた中村メイコの座を奪ったようにも見える(年齢は黒柳が一つ上だが中村メイコは2歳で映画デビュー)。民放に出始めてからも「徹子の部屋」、「ザ・ベストテン」と活躍の場を広げ、その間に「窓ぎわのトットちゃん」、「トットチャンネル」などのベストセラーを世に送った。
6e616b585e2829b102d92bfd7639d0e2
しかしさすがに87歳にもなるとかつての機関銃のしゃべりはなくなり、滑舌も多少悪くなった。体形も変わり足腰も弱ったらしく歩くのも辛そうに見える。昔の彼女を憶えている人間にはNET時代から続く「徹子の部屋」を50年続けたいという気持ちも理解できるが無理はして欲しくない。テレビの創成期の現場を知る数少ない生き証人として著作活動などに軸足を移してもいい時期ではなかろうか。かつて引退の時期を問われたときに、周りの人たちは自分には言えないだろうから親しいマッチ(近藤真彦)に「そろそろ辞めたら」と言ってもらうことになっている、と語っていたが、そのマッチが無期限の活動自粛となってしまった今彼女に進言できる人はいそうにない。



ランキング参加中です。クリックしていただけると励みになります。

コロナはしばらくは収まりそうにないし、ワクチンも予定通りに接種が始まるのか不明だ。コロナにかかっても入院は困難な状況だし、老人の重症化と致死率は若者より高い。老人が外出を控える、マスクをする、手を洗う以外に何かできることはないんだろうかと思っていた時に読んだ記事。

以前からビタミンDは免疫賦活作用、抗ウィルス、抗炎症作用を有しているのだが、COVID-19に対しても何らかの効果がありそうだという論文がいくつか出ている。最初はコロナ重症者の血中ビタミンD濃度が非重症者より低かったという記事だったが、スペインの研究ではビタミンDを治療薬として投与することで新型コロナ感染症の重篤化を防げることが初めて発表された。n数は少ないがダブルブラインドで実施されたかなり信用できる研究のようだ。
president201203_Vitamin3
こうしたデータを基に英国NHS(国民保健サービス)はビタミンD合成低下に対する対策としてビタミンDサプリメントの利用も考慮すべき、としている。ヨーロッパの事例でもビタミンDの摂取量とCOVID-19による死亡者数や感染者数の間には負の相関があると発表されている。相関があるからと言って即因果関係があるとは言えないが図を見る限り傾向は明らかである。
covid19-1covid19-2
細かい作用機序や研究内容は素人にはよくわからないが、もしかかったら重症化を防げるかもしれないと考えた浅はかな老人は、半分気休め半分真剣な気分でドラッグストアに走り、サプリメントを買った。気休めだとしても、外に出ることが減って紫外線を浴びる量も減り、ビタミンDの生成量も少なくなっているだろうからその補填くらいはしたほうがいいかなと考えての行動だったが、店のビタミンDサプリの棚はいつもの倍になっていたがその半分くらいは空になっていた。恐るべし。
IMG_4178 (2)



ランキング参加中です。クリックしていただけると励みになります。

↑このページのトップヘ