人気ブロガーのちきりん氏が最近の投稿で家計管理と固定費の見直しの重要性を説いています。変動費を管理しようとすると、食費を切り詰めよう、交際費を節約しようという人生を楽しめない方向に進みかねないし、若い人にとっては人生を豊かにする機会や経験を犠牲にしてしまう可能性すらあります。一方固定費はあまり見直されることもなく、増えすぎるとそれを払うために働くという状態を生むことなります。固定費という、手をつけることを拒絶するような呼び方も問題なのかもしれません。
ちきりん氏が2019年時点での自分の固定費を公表しているので私もそれに倣って計算してみました。
これによると50代で兵庫県在住で独身と推定されるちきりん氏の固定費は年間で207万円、ひと月だと17万円強です。厳密にいうと光熱費は固定費ではなく健康保険&介護保険も前年の課税所得に応じて変動するので固定費とは呼べませんが便宜的に固定費としているようです。同様に前年所得で決まる住民税はここには含まれていません。
一方引退老人であるわが家の固定費は年間で227万、月あたり19万弱です。前年に年金以外に収入があったので健康保険&介護保険が例年より高めです。ちきりん氏にはない自動車関連の費用を除くと月に16万強に、健保が下がれば15万くらいになると思います。二つのブログ・アワードを受賞し現在10冊以上の著作の印税があるちきりん氏の課税所得と健保保険が高めであることも踏まえて言えることは、現役と引退老人の固定費に大きな差はない、つまり年をとっても固定費は収入の下落ほどには下がらないということです。
固定費の把握が何の役に立つのかというと、先日来話題になっている2000万円問題でしょう。無職高齢夫婦世帯の平均支出が月27万円弱であるのに対し、年金等の収入では5万円足りないから年60万、30年で2000万円が不足するから自助努力を、というものでした。現役時代に貯める、長く働く、お金に働いてもらう、収入内で生活する、が主たる選択肢でしょうが引退老人に採れる手は限られます。全国平均で見ると老人世帯では月に27万円の生活費の内固定費が約9万円ですが、大都市のマンション暮らしだと13万円くらいになると想定されます。
固定費以外に必要な支出は、食費、日用品、交通費、交際費、冠婚葬祭費、趣味への支出、被服費、医療費、家具・家電などで、全国平均では18万円位です(2017年家計調査)。とすると大都市圏でのマンション生活者は固定費13万+変動費18万の31万円位が必要となり、年金との不足額は月9万、年108万、30年で3240万となります。ゆとりのある老後生活のためにはそれに加えて月8~10万円が必要となると言われます(少し高すぎると思うが)。だからと言って生活費を削るために食費や交際費などの変動費を削減すると「非活動的な、節約ばっかりしてる人生」になってしまう、管理すべきは変動費でなく固定費だとちきりん氏言います。ただいつでも削れる変動費と比べ固定費は意識しないと削減しにくい出費です。だからファイナンシャルプランナーは保険を見直せ、携帯料金を再考しろ、光熱費を削減しろというのですね。
でも、こうやって家計の固定費を計算してみるだけでも意識は変わるかもしれません。これに加えて人生キャッシュフロー表を作成すると自分の老後が見えてきますよ。
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ちきりん氏が2019年時点での自分の固定費を公表しているので私もそれに倣って計算してみました。
ちきりん氏の固定費 | 高齢者世帯の固定費 | ||||
月額 | 年額 | 月額 | 年額 | ||
マンション管理費&積立金 | 22,250 | 267,000 | 32,420 | 389,040 | |
固定資産税 | 120,000 | 163,200 | |||
電気・ガス・水道費 | 14,592 | 175,108 | 34,091 | 409,092 | |
火災保険 | 5,000 | ||||
地震保険 | 40,490 | ||||
駐車場 | 20,000 | 240,000 | |||
ネット回線&固定電話 | 4,647 | 55,768 | 5,964 | 71,568 | |
スマホ通信費 | 5,000 | 60,000 | 2,595 | 31,140 | |
ネット系経費 | 1,750 | 21,000 | 734 | 8,808 | |
コンテンツ課金 | 4,632 | 55,584 | 498 | 5,976 | |
NHK | 22,920 | ||||
スカパー | 3,795 | 45,540 | |||
JAF | 4,000 | ||||
シェアオフィス | 5,500 | 66,000 | |||
カード年会費 | 32,000 | 14,310 | |||
貸金庫 | 14,000 | ||||
スポーツジム | 8,000 | 96,000 | |||
健康保険&介護保険 | 890,000 | 702,180 | |||
年金保険 | 193,000 | ||||
医療保険 | 92,856 | ||||
自動車税 | 34,500 | ||||
自動車保険 | 22,830 | ||||
固定費計 | 172,782 | 2,073,380 | 189,628 | 2,275,530 |
これによると50代で兵庫県在住で独身と推定されるちきりん氏の固定費は年間で207万円、ひと月だと17万円強です。厳密にいうと光熱費は固定費ではなく健康保険&介護保険も前年の課税所得に応じて変動するので固定費とは呼べませんが便宜的に固定費としているようです。同様に前年所得で決まる住民税はここには含まれていません。
一方引退老人であるわが家の固定費は年間で227万、月あたり19万弱です。前年に年金以外に収入があったので健康保険&介護保険が例年より高めです。ちきりん氏にはない自動車関連の費用を除くと月に16万強に、健保が下がれば15万くらいになると思います。二つのブログ・アワードを受賞し現在10冊以上の著作の印税があるちきりん氏の課税所得と健保保険が高めであることも踏まえて言えることは、現役と引退老人の固定費に大きな差はない、つまり年をとっても固定費は収入の下落ほどには下がらないということです。
固定費の把握が何の役に立つのかというと、先日来話題になっている2000万円問題でしょう。無職高齢夫婦世帯の平均支出が月27万円弱であるのに対し、年金等の収入では5万円足りないから年60万、30年で2000万円が不足するから自助努力を、というものでした。現役時代に貯める、長く働く、お金に働いてもらう、収入内で生活する、が主たる選択肢でしょうが引退老人に採れる手は限られます。全国平均で見ると老人世帯では月に27万円の生活費の内固定費が約9万円ですが、大都市のマンション暮らしだと13万円くらいになると想定されます。
固定費以外に必要な支出は、食費、日用品、交通費、交際費、冠婚葬祭費、趣味への支出、被服費、医療費、家具・家電などで、全国平均では18万円位です(2017年家計調査)。とすると大都市圏でのマンション生活者は固定費13万+変動費18万の31万円位が必要となり、年金との不足額は月9万、年108万、30年で3240万となります。ゆとりのある老後生活のためにはそれに加えて月8~10万円が必要となると言われます(少し高すぎると思うが)。だからと言って生活費を削るために食費や交際費などの変動費を削減すると「非活動的な、節約ばっかりしてる人生」になってしまう、管理すべきは変動費でなく固定費だとちきりん氏言います。ただいつでも削れる変動費と比べ固定費は意識しないと削減しにくい出費です。だからファイナンシャルプランナーは保険を見直せ、携帯料金を再考しろ、光熱費を削減しろというのですね。
でも、こうやって家計の固定費を計算してみるだけでも意識は変わるかもしれません。これに加えて人生キャッシュフロー表を作成すると自分の老後が見えてきますよ。
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