マーケティング爺のひとりごと

外資系7社でチューインガムから抗癌剤までのマーケティングを生業としていた引退老人です。使えそうなデータや分析、気になった出来事、思い出、日々思うことなどをボケ防止のため綴っています。にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
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2022年01月

子供のころから広告が好きだった(12)

名古屋の民放ラジオ局2局(CBCラジオと東海ラジオ)では3時の時報の後に必ず流れる歌があります。

ボンボンボ~ンと時計が三つ

坊や おやつを食べました
とろりとろけて とろりんこ
二つの赤い提灯の
大須ういろとないろで~す
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名古屋を離れて50年以上経つのにいまだに覚えている。ただ自宅でういろうを食べた記憶はない。お土産菓子なのでしょうね。名古屋にはもうひとつ日本一の販売量を誇る青柳ういろうがある。大須ういろが戦後の起業であるのに対し、青柳ういろうは1879年の創業である。広告は覚えていないけれど「しろ・黒・抹茶・上がり・コーヒー・ゆず・さくら」の7フレーバーは名古屋っ子だったら誰でも暗唱できる。上がりとはこしあんのことだが、一説によると当時の天皇陛下(現上皇陛下)のご成婚時に献上され「上がりういろう」と名付けられたのが由来ともいわれている。ちなみに「ないろ」は大須ういろが「ういろう」にこしあんを加えて作ったもの。

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ういろうは中国から伝来し京都や小田原などでも作られているが、東海道新幹線の開業時に青柳ういろうだけが名古屋名物として社内販売を許されて全国区商品になり、以後ういろう=名古屋名物となったらしい。中身は同じようなものだが大須ういろは「ういろう」では商標登録ができないため「ういろ」と命名したとのこと。


先日名古屋に行き30年ぶりにういろうを買いました。いつの間にかコーヒーとゆずは廃版となり5フレーバーでした。新幹線の売店でも知らないお土産菓子ばかりで昔ながらのういろうはひっそりと目立たない場所に置かれていました。
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歌はこちらで聞けます。
https://www.youtube.com/watch?v=rcagVga5p_o



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10年使った食洗機が不調になったので買い替えた。5台目の食洗機になる。最初に買ったのは30年以上前。家内が夕食後家族がテレビを見ているのに自分だけ台所で洗いものをしているのは不公平だと言い出した。家電店に行って説明を聞き、日本では主食のコメが茶碗にこびりつくのでノズル式では落としきれないので洗濯機のように水をためて洗う日立の食洗機がいいですよと薦められて選んだ。大きな炊飯器のような形状だった。期待したほどの洗浄力はなかったけど。

その後カナダに転勤となり借りたマンションには当然ビルトインの食洗機が備わっていた(すごい運転音だった)。日本に戻って買ったのはTOTOの二階建ての食洗機。量が少ない時は下の部分だけで洗えるし、多い時や大皿を洗う時は上下運転できた。これを結構気に入っていたので、壊れた時にまた同じものに買い替えた。次に購入したのが4台目の10年使ったパナソニック。可もなく不可もなくの印象だった。

今回最初に見に行ったのはビックカメラのアウトレット店。斜めドラム洗濯乾燥機も数年前ここで買った。が、その時あった食洗機は一台も見当たらない。次に向かったのは正規のビックカメラ。駄目だ、3台だけの展示、2台がパナソニックであとは知らないブランド。最後にヨドバシカメラ。ありましたよ、さすがヨドバシ。しかし展示台数は僅か6台(レギュラー3台、プチ3台)、それも全部パナソニック。日立、東芝、三菱、シャープ、象印、TOTOはどうした!  仕方がない、ネットで買おうと価格コムで調べて発注。

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1971年から食洗機を売っているパナソニックのシェアはもともと高かったが、2003年に100万台近くあった市場はその後10数万台に縮小、同時に他のメーカーは将来性を見いだせずに撤退してしまったとのこと。現在製造しているメーカーはパナソニック、アクア(旧三洋電機)とSKジャパンの三社のみ。つまり日本メーカーはパナ1社だけ。パナも市場拡大のため2012年に小家族向けのプチ食洗機を発売するなどしているが、いまでも日本での食洗機の普及率は3割くらいだという。

こうしたメーカーの撤退は食洗機だけの問題ではないかもしれない。洗濯機だっていつのまにか国産は日立とパナソニックの2社だけになってしまった。NEC、富士通ゼネラル、三菱は既に撤退し、東芝は美的集団、三洋はハイアール、シャープはホンハイ傘下に入ってしまった。テレビも同様で、純国産はパナソニック、三菱の2社のみで、ソニーも基幹のディスプレイをサムソンなどから調達しているとのことだし、NECと日立は撤退、東芝はハイセンスに譲渡され、三洋はパナソニックに統合され、シャープはホンハイに買収されてしまった。その三菱も2024年3月の出荷をもって撤退するとの報道が最近あった。

かつては「家電大国」と自負し、特に白物家電はその技術とデザインで輸出の花形でもあった。しかし安価な労働コストを求めてアジアに製造拠点を移し、技術供与をしているうちに中韓台に並ばれ、価格競争力を失って追い抜かれ、ついに過去のパートナーや下請け企業に買収されるようになってしまった。日本製品の強みは痒いところに手の届く利便性や機能だったが、そのために開発コストと価格の上昇を招いた。増加するシンプルな機能で十分と考える消費者や、生活家電は国によってニーズや仕様が異なることに無頓着だったのかもしれない。機能・性能以外のところでの差別化が不十分だった気もするし、その機能も使わないものが多すぎる。製品の設計・企画やデザインの革新性に欠けていたことは、ルンバの自走式掃除機やダイソンのトルネード掃除機、これもダイソンの羽なし扇風機を初めて見た時のショックを思い出せば十分ではなかろうか。



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