マーケティング爺のひとりごと

外資系7社でチューインガムから抗癌剤までのマーケティングを生業としていた引退老人です。使えそうなデータや分析、気になった出来事、思い出、日々思うことなどをボケ防止のため綴っています。にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
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タグ:円安

最近いろいろなものが値上がりしているので今年1~6月の家計簿をまとめて前年と比べてみた。

我が家の2022年上半期の総支出は+6.5%。今の情勢だとこんなものかと思ったが、年金が0.2%減り日米の株価が暴落したので投信の分配金が激減し収入が前年の75%ほどになっている老人世帯にとってはけっこうダメージが大きい。そんなに贅沢をしているとは思わないのだが。

個別に見ていくと犯人が分かる。まず光熱費だ。電気が+36.6%、ガスが+22.6%、水道が+16.1%。光熱費合計で対前年+25.5%と増えている。老夫婦世帯で使用量は大きな変化がないので燃料費調整などが原油やLNG価格の上昇で上がり、単位当たりの価格が上がっているせいだ。そのうえ横浜市は昨年夏に水道料金を12%値上げした。光熱費が+6.5%増額分の三分の一を占める。
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つぎが食費だ。対前年比+13.2%とこれも結構大きい。パン、米穀、麺類は前年比で二桁マイナスだが、乳製品が+33.5%、肉類が+30.4%と増え、総菜類が+19.7%、冷凍食品が+18.6%と続いている。コロナで外出が減り、家庭内でプチ贅沢とまでは行かないがお取り寄せが増えたのと、こんな時期こそ老人だって体力をつけるため肉やチーズを食わねばと思ったところに円安による輸入牛肉などの値上がりが重なったことが響いている。加えて家庭内滞在時間が増えたのと最近の暑さで飲料消費が+42.2%と激増し食費と合わせて+17.4%でこれも増額分の三分の一の貢献度。
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残りの三分の一はゴルフ関連の出費増だ。家に閉じこもっている時間が増えると気持ちが沈み気味になり、ネットを見ているとついポチっと押してしまう。今年上半期は運動不足解消のためネットで見つけた女子プロとのコンペに二度参加し、先月は直進性が高いと評判のステルスドライバーを買ってしまった。今月後期高齢者となり健康寿命はあと数年だろうし、車の運転もゴルフもそのうち諦めねばならないからと自分を正当化させての出費だった。

消費者物価指数は4月5月と続けて2%を上回っているし、5月の企業物価指数は9%を超えた。原油価格は下がる気配を見せていないしロシアの出方によってはバレル150ドルを超えるかもしれない。円だってアメリカの更なる利上げで150円まで行くという論者もいる。輸送価格が上がればすべての物価に影響するし、円安と穀物価格の上昇で今月は食品だけでも約2000商品の値上げが予定されている。食料自給率37%、エネルギー自給率11%のこの国では円安と原油高で経済と国民生活が揺すぶられる。
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コロナによる制限を余儀なくされる生活が始まって2年半が経過した。それに加えてこの物価高だ。モノ不足が起きるかもしれないし、この状況は意外と長く続く可能性もある。年金生活の団塊世代は最後の食い逃げ世代と揶揄され現役の人に比べたら恵まれていると思う。しかし先が短いだけに「いつまでも我慢はできない」「忍耐も限界だ」とやけっぱち消費に走りたくもなる。そこをぐっと我慢して70年代の二度のオイルショック時の狂乱物価を経験した知恵を活かす時かもしれない。知恵があればの話だけど。



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6月1日から多くの食品が値上がりするとどの局も報道していましたね。6月1日出荷分から値段が上がるものとその値上がり率は下記のようです。

ネスプレッソ10杯 13%
カップヌードル 11%
サッポロ一番 11%
赤いきつね 11%
からあげくん 10%
味の素 8%
森永ピノ 7%
森永チョコモナカ 7%
明治エッセル 7%
富士そば 6%
CoCo壱番屋 6%
ブルドッグソース 6%
ミツカン穀物酢 5%

6月だけで食品の1500以上の品目が値上げを予定しているとのこと。7月にはそれを上回る2100もの食品が値上げされます。値上げ幅も2~3%などではなく10%以上のものも数多くあります。パン類やコーヒーは昨年から小刻みに値上げされているし、7月以降に値上げされる食用油やすり身、冷凍食品の一部は20%の値上げが想定されているようです。
2022-06-01 (1)
帝国データバンクの調査によると今年中に値上げをした又はする予定がある食品や飲料は8300にもなるという。食品飲料会社の65%が値上げをする予定で平均値上げ幅は13%と高い。いままで値上げを我慢してきた分もあるのでしょうが、原油や小麦の値上がりに加えてウクライナ侵攻でエネルギー価格がさらに上がったこと、最近の円安で輸入価格が円ベースで上昇したことなどが背景にあるということです。それにしても13%は大きい。相当なインパクトが家計にのしかかかります。

どのくらいの負担増になるか計算をしてみると(高齢年金世帯で参考にはならないが)食品+飲料への支出の6割のアイテムが平均13%上がるとすると7.8%の支出増となり我が家の場合金額では年間約58000円の増加となります。食費だけではなく光熱費の値上がりも大きい。電気は9か月連続で単価が上がりガスもガソリンも水道(横浜市は昨年7月に+12%に)も値上げされている。我が家の1~5月の光熱費は対前年比で未曽有の+29.8%増で、このまま行けば年間の光熱費は毎月前年比で+1万円、年間で12万円増ととんでもない金額になります。食品飲料の増加と合算すると約18万円の負担増で一ヵ月分の年金が消えることを意味します。

このような多くの商品の値上げは前例がなく1979年の第二次オイルショックの時のようなCPIの上昇が起きるかもしれません。節約はしようとは思いますが食品の節約には限界があるし、先の短い老人ゆえ残りの人生を我慢して生きるのも寂しい気もします。問題はこれがいつまで続くかで、第一次・第二次オイルショック時の狂乱物価のように約一年で収束すればいいのだけれど、今の原油価格、穀物価格、円安が継続されるとなると一年では済まないかもしれません。消費者物価指数は3月から上がり始めたように見えますが実際は昨年夏から上がっています。一昨年に下げられた携帯料金が物価上昇を隠していただけで、そのインパクトが今年の4月から消えたので一気に上がったように見えるだけです。つまり物価は約10か月前から上がっているのです。この物価上昇が一年以上続くことは確かだと考えた方がよいと思います。
2022-06-01
かつて1974年にCPIが23%上昇したとき、多くの企業は物価高に対応できるように従業員の賃金を上げることができた。私の月給も30%近く上がったと記憶しています。残念ながら日本の現在の状況では賃金の上昇はは物価の上昇に追いつかないことが懸念される。このままだと日本がますます貧しい国になっていくようで悲しい。



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