子供のころから広告が好きだった(14)

どんなものなのか理解できなくても広告で「OO配合」とか「有効成分OO」と言われると昔からなんとなく信じてしまう。私は単純な人間です。

子供のころミツワ石鹸の薬用「ミューズ」のテレビ広告の「G11アネガム(だったと思う)配合」の文言を見て、どんな菌でも殺してしまうんだと思った。花王がP&GのHead & Shouldersのコピーであるメリットシャンプーを発売した時も「ジンクピリチオン」という成分名をすぐ覚えたし何年間か使ってもいた。
G11アネガムもジンクピリチオンもどんな成分でどう機能するのかも知らなかったが、仕事をするようになってこれらが消費者ベネフィット(使用することによる利点)を強化・正当化するRTB(Reason to Believe)だと教わりました。

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クロレッツを開発し広告を制作している時に、当時の米国人社長に言われました。クロレッツはコンセプトで売る製品です。テレビ広告では効果は当然だが、我が社独自の有効成分である「アクチゾル」を前面に出して宣伝しなさい。でも決して、決して「アクチゾル」がなんであるかを広告内で語ってはいけない。消費者にMagical Recipeだと思わせなさい、その方が消費者は信じやすいのですよ、と。

さっき調べたら家にあるミューズのパッケージには「G11アネガム」の文字は既になく、メリットからも香りが悪いという理由で「ジンクピリチオン」は外されている。今日店頭で見たクロレッツにも「アクチゾル」の表示は見当たらず(原材料表示から推測するとまだ含有されているはず)、「緑茶ポリフェノール配合」の表示だった。こんなどこでも使われている有効成分では分かりやすすぎてありがたみに欠ける。あのRTBやMagical Recipeはどこに行ってしまったのだろうか。

下をクリックすると1984年の田中裕子主演のメリットのCMが見られます。「ジンクピリチオン」出てきます。ちなみにアメリカP&GのHead & Shouldersはいまだに「ジンクピリチオン」配合です。

https://www.youtube.com/watch?v=4k5ga54PJ6o


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