2021年の家計調査での2人以上世帯の実質消費は0.7%の伸びにとどまったという。物価も多少上がっているしコロナ禍で我慢していた購買意欲が復活するリベンジ消費が期待されていたのでもう少し上がっていると思ったが意外な低さだった。コロナ前の2019年と比べると-4.6%と依然低いままだ。この対前年比0.7%の低い伸びは他国と比較するとより明確になる。アメリカが8.0%、フランスが4.8%、イギリスが3.7%と日本より感染比率の高い国の消費が回復傾向にあるのに日本とドイツがだんとつに低い。
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この理由としては昨年4月から携帯料金が大きく下がったこともあるが、他国と比べて日本ではワクチン接種が遅れ経済活動再開がゆっくりだったこと、緊急事態宣言下での自粛や行動制限の期間が長かったこと、シニア層を中心に外出意欲が弱いままの人が多いこと、コロナが収束しても経済は元に戻らないだろうと考えたり長生きリスクなどの将来不安に備えての慎重な消費が理由だと思われる。言い方を変えれば我が国は感染を抑えるために社会生活や経済を犠牲にしているということだろう。

消費が伸びなかった代わりに貯蓄率は高いままだ。2020年は一人当たり10万円の特別定額給付金が配られ、その7割は消費ではなく貯蓄に回ったせいで貯蓄率は大きく跳ね上がったが、給付金のなかった2021年も34.2%と高いままだ。
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消費は0.7%伸びたものの、回復を示したのはリモート授業や講習が好調だった教育関連が15.7%、鉄道運賃が14.4%、航空運賃が6.2%などで、パック旅行費は‐82.3%、飲食費が-76.7%、食事代が-27.0%、家庭用耐久財が-10.3%と惨憺たる数字となっている。

比較対象にはならないかもしれないが我が年金生活世帯も食費は0.8%増えたものの、肉や魚の購入額が3割増えた一方で前年の巣ごもり消費で上昇した冷凍食品は-36.4%、麺類は-30.6%と激減した。外食費も-23.6%と続落し、総支出は結局-3.1%だった。2020年に支出が増えた日用品と衣類がその反動で-15.3%と-9.5%と下がったこと、ゴルフの回数が3割減ったことなどが主な理由だと考えられる。消費を控えているつもりは全くないのだが老人世帯には欲しいものはあまりないし、耐久消費財は壊れた時にしか買わない。外出は億劫だし感染も恐ろしい。結局毎日食べるものだけはおいしいものを食べたいという欲求だけが残されている。それだっていつまで自分の歯で咀嚼して食べられるかは分からないけど。
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2020年1月16日に最初のコロナ感染者が出てから3年目に突入した。経済を回さなければという必要性は十分に理解できるが、オミクロン株の感染の速さ、昨今の医療現場のひっ迫ぶりやブースター接種の遅れを見ていると老人はまだ安心して外に出られない。日経の記事には日本の家計にはコロナ前のトレンドと比べると約40兆円の超過貯蓄があるという。この春闘で給料が上がり、コロナが収束が見えてきて安心して外食や旅行ができるようになってこの40兆円が市場に回れば消費支出が戻るような気がするのだが。でも、日本人は貯蓄が好きだからなあ。



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