風邪を引いたらしく鼻水が止まらない。家内に風邪薬はないかと聞いたら二種類持っていた。普段はパブロンを飲んでいるはずだが、持っていたのは知らないブランドだった。近所の薬局で勧められたらしい。推奨販売というやつだ。

別にこの小林薬品の製品がどうのではないが、推奨販売で思い出した。チェーン店やスーパーが無かった頃は推奨販売は一般的だった。近所のよろずやや個人商店に買い物に行くとおばさんがいて、「子供のズック靴を洗いたいんだけど」と聞けば、「だったらこれがいいよ」と勧めてくれた。魚屋や八百屋でもお勧めを聞くと「今日はこれが安くておいしいよ」とよく言われたものだ。
今はスーパーやコンビニで「おしゃれ着洗いにはどの洗剤がお勧めですか」と聞いても店員さんは多分答えられない。その代わりに製品情報を流しているのが広告である。客は入店する前から、今日はセーターを洗うからアクロンを買おうと思って入ってくる。コンビニには約3000種の商品が売られている。店の人が全部の製品を憶えることすら不可能で製品特徴などなおさらである。製品情報はテレビや雑誌から得られていて、これをマーケティングではプリセリング(事前販売)と呼ばれる。
逆の言い方をすると、スーパーやコンビニなどのセルフサービス店はテレビや新聞などのマス広告が一般的になって初めて可能となった業態なのである。マスメディアによるプリセリングなしでは成り立たない。プリセリングがあるので店員さんに聞くことなく棚から製品をピックアップしてカゴに入れられる。もうひとつ必要なものはブランドである。他の製品と棚で区別するために必須である。つまりセルフ店が存在するためには広告とブランドがマストだ。
このような状況の中で推奨販売が残されている数少ない販路が薬局である(他にもワインショップや化粧品店などにも推奨販売が残っている)。素人が製品差を判別しにくい商材を扱うチャネルだ。家内が薬屋で症状を説明し、薬剤師が勧めたものを買ったパターンですね。薬屋に行って症状を伝えると多くの場合トップブランドでないものを勧められる。これはほとんど成分が同じだが小売店がマージンが大きいものを売りたがるためだ。利益額が倍くらい違うこともある。かつて医薬品や化粧品が定価で売られていた再販価格対象品のときはもっとえげつなかった。
大手のメーカーは推奨されるようなインセンティブを付けたり、推奨が期待できない場合は(マージンが薄い)指名買いを増やすために広告を用いる。昔担当していたコンタックやバファリンは指名買い率が70%くらいだった。これも一種のプリセリングなのだが、薬局で「バファリンください」というと「ほぼ同じ成分で値段の安いのがありますがどうします?」とバッサミンとかバッサリンを勧められることが時々あった。なんだかパッケージも似ていたなあ。


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別にこの小林薬品の製品がどうのではないが、推奨販売で思い出した。チェーン店やスーパーが無かった頃は推奨販売は一般的だった。近所のよろずやや個人商店に買い物に行くとおばさんがいて、「子供のズック靴を洗いたいんだけど」と聞けば、「だったらこれがいいよ」と勧めてくれた。魚屋や八百屋でもお勧めを聞くと「今日はこれが安くておいしいよ」とよく言われたものだ。
今はスーパーやコンビニで「おしゃれ着洗いにはどの洗剤がお勧めですか」と聞いても店員さんは多分答えられない。その代わりに製品情報を流しているのが広告である。客は入店する前から、今日はセーターを洗うからアクロンを買おうと思って入ってくる。コンビニには約3000種の商品が売られている。店の人が全部の製品を憶えることすら不可能で製品特徴などなおさらである。製品情報はテレビや雑誌から得られていて、これをマーケティングではプリセリング(事前販売)と呼ばれる。
逆の言い方をすると、スーパーやコンビニなどのセルフサービス店はテレビや新聞などのマス広告が一般的になって初めて可能となった業態なのである。マスメディアによるプリセリングなしでは成り立たない。プリセリングがあるので店員さんに聞くことなく棚から製品をピックアップしてカゴに入れられる。もうひとつ必要なものはブランドである。他の製品と棚で区別するために必須である。つまりセルフ店が存在するためには広告とブランドがマストだ。
このような状況の中で推奨販売が残されている数少ない販路が薬局である(他にもワインショップや化粧品店などにも推奨販売が残っている)。素人が製品差を判別しにくい商材を扱うチャネルだ。家内が薬屋で症状を説明し、薬剤師が勧めたものを買ったパターンですね。薬屋に行って症状を伝えると多くの場合トップブランドでないものを勧められる。これはほとんど成分が同じだが小売店がマージンが大きいものを売りたがるためだ。利益額が倍くらい違うこともある。かつて医薬品や化粧品が定価で売られていた再販価格対象品のときはもっとえげつなかった。
大手のメーカーは推奨されるようなインセンティブを付けたり、推奨が期待できない場合は(マージンが薄い)指名買いを増やすために広告を用いる。昔担当していたコンタックやバファリンは指名買い率が70%くらいだった。これも一種のプリセリングなのだが、薬局で「バファリンください」というと「ほぼ同じ成分で値段の安いのがありますがどうします?」とバッサミンとかバッサリンを勧められることが時々あった。なんだかパッケージも似ていたなあ。

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