子供のころから広告が好きだった(4)
名古屋には市内に本社を置く製パン会社が2社あります。フジパンと敷島パンです。子供のころ街にはパン菓子店がたくさんありフジか敷島のどちらかを扱っていました。フジのほうが圧倒的に優勢だったと記憶しています。広告もフジがテレビや宣伝カーで流していたのに対し敷島の印象はあまりありません。CMソングの最後の「パ~ンならシキシ~マ 敷島パン」しか憶えていません。おとなしいというか品がよい会社でした。これは「ねのひ」の醸造元やソニー創業者である盛田昭夫氏で有名な盛田家の一族が創業したせいかもしれません。一方フジパンの宣伝カーは毎週のように廻ってきました。
山は富士山 日本一
パンなら富士パン 日本一
やっぱり富士パン おいしいね
めっきり健康 富士パンで
今ならとても使えない文言です。世は朝食がご飯食からパン食へと移行しつつある時期でもあり、パンメーカーとして必死に啓蒙活動をしていたのだと思います。そんな時、東京で一番売れているパンが名古屋に来るというニュースが流れ、友達と隣町まで偵察に行きました。ヤマザキパンののぼりが何本も立っていました。なんとなく洒落ていてフジと敷島は大丈夫だろうか、と子供心に心配しました。
それから数十年。両社ともに健在です。フジはパンだけでなく惣菜やマックのバンズも手がけるようになり、敷島はヤマザキに次ぐ製パン業界第二位となっています。「超熟」のヒットもありますが、東京に進出するときに敷島の名前を出さずにパスコを前面に出したのが効いたとも言われています。PascoはPan、Shikishima、Companyというポルトガル語、日本語、英語の頭文字をとって作った造語ですが、こんなところが名古屋の会社らしくていいですね。

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