マーケティング爺のひとりごと

外資系7社でチューインガムから抗癌剤までのマーケティングを生業としていた引退老人です。使えそうなデータや分析、気になった出来事、思い出、日々思うことなどをボケ防止のため綴っています。にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
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2020年05月

70歳になりました。あっという間の70年でした。私が生まれた年に日本人男子の平均寿命が初めて50歳を超えたのですから、長生きをしていると言うこともできます。
会社勤めを辞めてからちょうど10年。振り返ってみると自分の会社人生には10年に一度大きなイベントがあったことに気づきました。

10年前の2007年6月。親会社の米国人社長との定例個人面談で業務報告をしようとしたら「今日はいい」と遮られ、米本社がバファリンやエキセドリンなどの商標を日本のJVパートナーに売却することを決めたので会社は来月一杯で解散されると唐突に伝えられました。一週間後にプレスリリースが出るのですぐデューデリジェンスを極秘で始めろ、JVパートナーへの業務引継ぎは発表後一週間で終えろと通常ではありえないスケジュールです。社員のことを考えると社内発表までの一週間は辛い毎日でした。発表後に書類だけの株主総会の議事録が廻ってきて会社の解散と自身の代表取締役の解任決議に署名をしたことを覚えています。たまたまその日が60歳の誕生日で、役員でなくなることは定年を意味し7月末で退職となりました。

その10年前の1997年秋。日本ペプシコーラ社の本部長は会議室に緊急召集され、社長から本社が日本の事業をサントリーに譲渡すると決定したと告げられました。12月で会社は抹消され社員はサントリー(の子会社)に転籍になるとのことでした。マーケティング責任者だった私は広報担当に話をし、翌月に行われるサントリーの記者会見の準備を依頼しました。これも秘密裏に進めるため広報担当も苦しかったと思います。その後社内にはサントリーから数名が常駐し業務引継ぎのための聞き取りが始まりました。結局マネジメント、製造・開発スタッフは不要ということで退職することとなり、私も何か月かのハローワーク通いをすることとなります。ペプシマンのキャンペーンが成功し業績が回復している時だけに無念な思いだけが残りました。

そのまた10年前、1987年。スミスクライン&フレンチにコンタック担当のプロダクトマネジャーとして入社して三か月後、住友製薬のOTC事業を吸収合併してスミスクライン住薬という会社になりました。同時に住友製薬から数十人が転籍してきましたが、除虫薬や殺鼠剤を中心に営業力のプッシュで売るコテコテの関西企業とTV広告のプルで売る外資が融合するはずもなく、社内は二つに割れたバラバラのままで朝礼も別々に行われる状態でした。入社して間もない私はどちらにも属することができず宙ぶらりんで居心地の悪いまま退職を決意しました。予期した通り数年後に提携は解消され社名はスミスクライン ビーチャム コンシューマーヘルスケアという長い名前に変わっていました。

しかしよく考えるとたまたま10年ごとにイベントが起こったのではなく、自分が30歳では、40歳では、50歳ではこうならねばという妙な概念に憑りつかれて性急に新しいチャレンジ(40歳、50歳直前の転職)をしたために引き起こした部分もあったのではと考えるようになりました。大学を退学処分され社会に出たのが4年遅れで、早く同い年の仲間に追いつこうと焦ったことも影響していたと思います。自分でキャリアを作り上げる意欲も大事だけれど、運を天に任せるのもひとつの方法だったかもと今では考えられるようになりました。


今年は最後のイベントからちょうど10年目。あと半年何も起こらなければいいなあ。




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数年前から終活の一環として本、CD、ビデオ、DVDなどをオークションに出すようになりました。月に数点買い手がつくくらいでしたが、コロナ騒ぎが始まってから販売点数が増加しています。4月だけでも20点ほどの発送をしました。どんなものが売れるかと言うと、書籍、DVD、ゴルフクラブ、CD、ビデオ、レコードなどです。リモートワークで自宅で仕事をすることが増えて運動不足になる人が多いせいでしょうか、ブートキャンプなどのエクササイズDVDが4点売れましたし、ゴルフクラブもウッドやユーティリティセット、ウェッジなどに買い手が付きました。時間を持て余しネットを見ていて思わずポチッと押してしまうのかもしれません。

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出品を始めてから最も売れたのは書籍で、累計で1000冊以上が我が家の本棚から消えました。始めたころは希少本もあって一冊数千円で売れたものもありましたが、今では数百円の本ばかりです。アマゾンの場合、私のような小口出品者は販売価格の15%の販売手数料と100円の基本成約料に加えてカテゴリー成約料(本なら80円、CDなら140円)を引かれ、その上に消費税ですから数百円の売価だとほとんど利益は出ません。読まなくなった本が新しい読者を得て再度陽の目を見ることが喜びです。それに家の中もすっきりしますしね。梱包して発送するときは娘を嫁に出すような感じです。昨日売れた本はこんな本でした。
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村上春樹と綿谷りさと庄司薫の三冊ともかつてのベストセラーです。それゆえに出品数も多く、数で稼ぐ大口出品者は1円とか数十円の価格をつけています。それなのに私の数百円の本が売れたのはコロナの影響だと思われます。書店やアマゾンで生計を立てている出品者の本は数多くの人に触れられた可能性があり、コロナウィルスの付着もあるかもしれないと考える購入者もいるだろうと思います。私はかろうじて利益が出る価格設定に加えて、個人の所蔵本(ワンオーナー本)であることを付記しています。これが価格のハンデを消してくれているのかもしれません。その他にも先週は
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アニメ主題歌のソノシートや字幕なしの英語版の映画VHSのような普段では注文が来ないであろう商品が捌けました。自粛生活も3週間を過ぎ、皆さん普段とは異なる精神状態なのではなかろうかと思います。一日も早く普通の日が戻ってくることを祈ります。



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