ネットの時代と言われて久しい。老人はネットも利用するが使う範囲が限られていて、いまだにテレビがメディア接触の中で最も長い。博報堂の2022年データでも60代の男性は毎日2時間14分、女性は2時間37分テレビを見ている。4媒体にPCやスマホなどを加えたメディア接触時間の約半分がテレビに費やされている。最も安価な娯楽、手っ取り早い暇つぶしの代表格テレビの面目躍如である。(ここでも70才代は無視されているが今は文句は言わない)
日本人の平均メディア接触時間は451分で15年前より33%、1時間10分も伸びている。今週電通が2022年の総広告費を発表したが、7兆1千億円を超え史上最高額となった。かつて2007年に一度だけ7兆越えをしたがその後リーマンショックで激減し、回復しかけたらコロナでまた大きく下がった。史上最高とはいえ15年かけてやっと2007年レベルに戻ったということだ。その15年間でメディア接触時間が33%も伸びているにもかかわらずだ。広告は景気に敏感だからこれを見るだけでも日本経済の最近の不振ぶりが分かる。

市場規模は回復したのだが、中身は15年前と大きく異なっている。15年前は市場の1割にも及ばなかったインターネット広告が、一昨年マス4媒体(TV、ラジオ、新聞、雑誌)を初めて抜き、昨年は14%伸長してその差をさらに拡げた。構成比で43.5対33.8と約10ポイントの差をつけている。一方の伝統メディアはラジオは対前年比で+2%伸びたが、新聞が‐3%、雑誌が‐7%と減少し、マス4媒体の75%を占めるTVが‐2%と縮んだことが差を拡げられた原因だ。老人はテレビ中心だが若者はスマホ中心でテレビ離れが顕著である。

新卒で広告代理店で働き始めたとき広告費はGDP(当時はGNPを使っていたが)の1%だった。同様に1%だったものに防衛費とパチンコ産業があった。50年前は同じ規模だったが防衛費は6兆1千億円(2021年度)、広告費は7兆1千億円と伸び、GDP比1.1%と1.3%となっている。伸びているというのは正確ではないかも知れない。GDPが伸び悩んでいるが正解かも。その一方でパチンコ産業は衰退傾向とは言え14兆6千億円(2022年)と増加しGDP比でも2.6%まで上昇している。IT化とパチスロという新カテゴリーが加わったことも大きいが、広告だって日本経済が成長していれば50年間でこのくらい伸びていてもおかしくはないのだけれど。
インターネットは情報収集や調べ物には至極便利なのだが、広告が勝手に飛び込んできてうるさい(特にリスティング広告)。昔テレビはInvasive Media(勝手に広告が侵入してくるメディア)と言われたが、YouTubeやゲームでも冒頭部や途中で広告に中断されてイラっとさせられる。個人情報も勝手に収集されているようで気分もよくない。ま、先の短い老人の情報を抜いても使い道は老人ホームか墓地か葬儀場くらいなんだけどね。

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日本人の平均メディア接触時間は451分で15年前より33%、1時間10分も伸びている。今週電通が2022年の総広告費を発表したが、7兆1千億円を超え史上最高額となった。かつて2007年に一度だけ7兆越えをしたがその後リーマンショックで激減し、回復しかけたらコロナでまた大きく下がった。史上最高とはいえ15年かけてやっと2007年レベルに戻ったということだ。その15年間でメディア接触時間が33%も伸びているにもかかわらずだ。広告は景気に敏感だからこれを見るだけでも日本経済の最近の不振ぶりが分かる。

市場規模は回復したのだが、中身は15年前と大きく異なっている。15年前は市場の1割にも及ばなかったインターネット広告が、一昨年マス4媒体(TV、ラジオ、新聞、雑誌)を初めて抜き、昨年は14%伸長してその差をさらに拡げた。構成比で43.5対33.8と約10ポイントの差をつけている。一方の伝統メディアはラジオは対前年比で+2%伸びたが、新聞が‐3%、雑誌が‐7%と減少し、マス4媒体の75%を占めるTVが‐2%と縮んだことが差を拡げられた原因だ。老人はテレビ中心だが若者はスマホ中心でテレビ離れが顕著である。

新卒で広告代理店で働き始めたとき広告費はGDP(当時はGNPを使っていたが)の1%だった。同様に1%だったものに防衛費とパチンコ産業があった。50年前は同じ規模だったが防衛費は6兆1千億円(2021年度)、広告費は7兆1千億円と伸び、GDP比1.1%と1.3%となっている。伸びているというのは正確ではないかも知れない。GDPが伸び悩んでいるが正解かも。その一方でパチンコ産業は衰退傾向とは言え14兆6千億円(2022年)と増加しGDP比でも2.6%まで上昇している。IT化とパチスロという新カテゴリーが加わったことも大きいが、広告だって日本経済が成長していれば50年間でこのくらい伸びていてもおかしくはないのだけれど。
インターネットは情報収集や調べ物には至極便利なのだが、広告が勝手に飛び込んできてうるさい(特にリスティング広告)。昔テレビはInvasive Media(勝手に広告が侵入してくるメディア)と言われたが、YouTubeやゲームでも冒頭部や途中で広告に中断されてイラっとさせられる。個人情報も勝手に収集されているようで気分もよくない。ま、先の短い老人の情報を抜いても使い道は老人ホームか墓地か葬儀場くらいなんだけどね。
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