専業主夫になって15年。毎日台所に立つ。台所で毎日使うものの一つがサランラップだ。ブロッコリーを水にくぐらせた後ラップに包んでチンしてサラダに加えるのと、残った食材を保存するときに使う。他のラップも何種類か使ったが、サランラップに勝るものはなかった。保存性が高いし、カットしやすく、しなやかなのに強度もある。冗談だとは思うが「アルミホイールはどのメーカーでも構わんが、ラップはサランラップしか使うな」と遺言を残したという話を昔読んだことがある。

サランラップの品質は抜きんでている。しかし圧倒的なリーディングブランドのサランラップは日本最初のラップではない。呉羽化学がクレラップを市場導入した二か月後に発売された。二番手商品である。かつサランラップはもともとアメリカのダウ・ケミカルが軍事用に開発したもので、登録商標も日本ではダウ・ケミカルと旭化成の共有である。ちなみにブランド名は食品用ラップとして販売された時の開発者二人の妻の名前であるサラ(Sarah)とアン(Ann)から由来している。
サランラップの発売は昭和36年8月だった。大卒の初任給が1万2千円の時代に7メートル巻き(現在は主に20メートル)で100円の高価格だったので苦戦が続き、浸透するまで5年かかった。追い風となったのは電気冷蔵庫の普及である。発売時には1割に届かなかった冷蔵庫の普及率は昭和43年には8割を超えた。便利なゆえに何でも冷蔵庫に放り込んでいた主婦は庫内が意外に乾燥していることに気づく。新発売時の広告コピーは「夏だ。スイカだ。サランラップだ。」だったが、「おいしさを保てる」から「みずみずしさを保てる」に路線変更して主婦に訴えた。旭化成が単独提供していたフジテレビの人気番組「スター千一夜」でのCM投入も浸透を後押しした。
同時に、揺籃期であったスーパーマーケットへのアプローチもサランラップの伸長に勢いをつけた。スーパーで生鮮品がサランラップでくるまれて売られるようになり、主婦はラップの便利さに目覚めた。当然スーパーでの販売増を生み、デパートや雑貨店が販路の中心だったクレラップを一気に追い抜いた。
最近では冷蔵庫・冷凍庫での保存だけでなく、電子レンジを使うときや、おにぎりを握るときにも必須のものとなり、その存在感は増すばかりだ。

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サランラップの品質は抜きんでている。しかし圧倒的なリーディングブランドのサランラップは日本最初のラップではない。呉羽化学がクレラップを市場導入した二か月後に発売された。二番手商品である。かつサランラップはもともとアメリカのダウ・ケミカルが軍事用に開発したもので、登録商標も日本ではダウ・ケミカルと旭化成の共有である。ちなみにブランド名は食品用ラップとして販売された時の開発者二人の妻の名前であるサラ(Sarah)とアン(Ann)から由来している。
サランラップの発売は昭和36年8月だった。大卒の初任給が1万2千円の時代に7メートル巻き(現在は主に20メートル)で100円の高価格だったので苦戦が続き、浸透するまで5年かかった。追い風となったのは電気冷蔵庫の普及である。発売時には1割に届かなかった冷蔵庫の普及率は昭和43年には8割を超えた。便利なゆえに何でも冷蔵庫に放り込んでいた主婦は庫内が意外に乾燥していることに気づく。新発売時の広告コピーは「夏だ。スイカだ。サランラップだ。」だったが、「おいしさを保てる」から「みずみずしさを保てる」に路線変更して主婦に訴えた。旭化成が単独提供していたフジテレビの人気番組「スター千一夜」でのCM投入も浸透を後押しした。
同時に、揺籃期であったスーパーマーケットへのアプローチもサランラップの伸長に勢いをつけた。スーパーで生鮮品がサランラップでくるまれて売られるようになり、主婦はラップの便利さに目覚めた。当然スーパーでの販売増を生み、デパートや雑貨店が販路の中心だったクレラップを一気に追い抜いた。
最近では冷蔵庫・冷凍庫での保存だけでなく、電子レンジを使うときや、おにぎりを握るときにも必須のものとなり、その存在感は増すばかりだ。
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