家具を見るために元町商店街に出かけた。我が家の家具のほとんどが元町家具だ(本来は横浜家具と呼ぶらしいが我が家では元町家具と呼んでいる)。家内の実家が元町に店を出していたこともあり、嫁入り時に持ってきた家具も元町家具だったし、ライティングビューローや椅子などは家内が子供時代から使っていた数十年物のアンティークだった。松下家具の製品で店の上層階に非売品で展示してあるくらいの椅子だった。傷んだので自分で直して今はこんな感じだ。

元町に来るのは数年ぶりだ。しかし歩いてすぐ左手にあるはずの松下家具がない。その先にあった籐専門の家具屋もない。右手のユニオン横の地下にあった家具店もない。どうしたのだろうか。元町に6店あった家具店は店頭の巨大な赤椅子で有名なダニエルと1928年創業の手造り家具の松下信平商店だけになってしまった。椅子だけでなくゲートレッグテーブルなども買った老舗の松下家具が閉店したのはショックだった。


結局松下信平商店に行ったのだが店の人も家具店の閉店が続くと嘆いていた。
家具業界はバブル末期の1991年の2兆7千億円をピークに下がり続け、2000年代初頭には1兆円を切るまで落ち込んだ。その後ニトリやIKEA、無印良品が市場を引っ張り、コロナでで屋内に意識が向いたこともあって2020年には1兆5千億円まで回復した。一見順調そうに見えるが事態は深刻のようだ。
ニトリやIKEA、無印が順調でもそこで売られている家具のほとんどは海外生産だ。彼らは自社工場を持たない家具販売会社だから国内の伝統的家具メーカーへの恩恵はない。技を磨いて作り上げた家具が売れず、ほとんどの家具メーカーは赤字だという。売れているニトリでも家具単体では赤字で、社長は「ベッドで利益が出なくても布団やシーツで利益が出るので十分だ」と話している。本体で利益が出なくてもカートリッジや紙で儲けるコピー機メーカーや替え刃で利を生み出す剃刀メーカーと同じだ。
ニトリやIKEA、無印良品のような総合インテリア販売会社のように周辺商品がある会社はまだよいが、古くからある家具製造や販売専門会社は苦戦を強いられている。元町だけでなくこの近所でもみなとみらいの大塚家具の基幹店舗が今年閉店したし、横浜駅西口にあった大型家具専門店も何年か前にラウンドワンになってしまった。家具製造業はもっと大変で借り入れをしてやっと存続している会社が多いとのこと。職人さんの待遇も平均42歳で年収320万くらいではなりたがる人もいなくなるのではないか。家具メーカーと街の家具屋さんの奮闘を祈るしかない。


ランキング参加中です。クリックしていただけると励みになります。

元町に来るのは数年ぶりだ。しかし歩いてすぐ左手にあるはずの松下家具がない。その先にあった籐専門の家具屋もない。右手のユニオン横の地下にあった家具店もない。どうしたのだろうか。元町に6店あった家具店は店頭の巨大な赤椅子で有名なダニエルと1928年創業の手造り家具の松下信平商店だけになってしまった。椅子だけでなくゲートレッグテーブルなども買った老舗の松下家具が閉店したのはショックだった。


結局松下信平商店に行ったのだが店の人も家具店の閉店が続くと嘆いていた。
家具業界はバブル末期の1991年の2兆7千億円をピークに下がり続け、2000年代初頭には1兆円を切るまで落ち込んだ。その後ニトリやIKEA、無印良品が市場を引っ張り、コロナでで屋内に意識が向いたこともあって2020年には1兆5千億円まで回復した。一見順調そうに見えるが事態は深刻のようだ。
ニトリやIKEA、無印が順調でもそこで売られている家具のほとんどは海外生産だ。彼らは自社工場を持たない家具販売会社だから国内の伝統的家具メーカーへの恩恵はない。技を磨いて作り上げた家具が売れず、ほとんどの家具メーカーは赤字だという。売れているニトリでも家具単体では赤字で、社長は「ベッドで利益が出なくても布団やシーツで利益が出るので十分だ」と話している。本体で利益が出なくてもカートリッジや紙で儲けるコピー機メーカーや替え刃で利を生み出す剃刀メーカーと同じだ。
ニトリやIKEA、無印良品のような総合インテリア販売会社のように周辺商品がある会社はまだよいが、古くからある家具製造や販売専門会社は苦戦を強いられている。元町だけでなくこの近所でもみなとみらいの大塚家具の基幹店舗が今年閉店したし、横浜駅西口にあった大型家具専門店も何年か前にラウンドワンになってしまった。家具製造業はもっと大変で借り入れをしてやっと存続している会社が多いとのこと。職人さんの待遇も平均42歳で年収320万くらいではなりたがる人もいなくなるのではないか。家具メーカーと街の家具屋さんの奮闘を祈るしかない。

ランキング参加中です。クリックしていただけると励みになります。
