寒い深夜には温かいスープが飲みたくなる。ただキャンベルの缶スープは牛乳と鍋が必要だし、中華スープは卵がないと作れないし深夜にはごま油が重く感じられる。老人にはあっさりしたリケンのわかめスープか永谷園の松茸の味お吸いものくらいがちょうど良い。だから今日も松茸のお吸いものだった。熱湯を注ぐだけですぐ飲める。ちょっとケミカルな香りがするが麩、海苔に乾燥葱と椎茸も入っている。

松茸の季節にはちと早いが、国産の松茸はとても手が出ないのでたまに買うときはカナダ産か中国産を選ぶことになる。ちょっと大味で香りに欠けるような気がするけど。昔も安くはなかったが今ほど高根の花ではなかった。時々母親が竹かごに入った松茸を買ってきて松茸ご飯を作った。当時輸入ものはほとんどなかったので全部が国産だったと思う。そんな頃テレビで柳屋小さんの「松茸の味 お吸もの」のCMが流れ出した。小さんがつぶやく「これで一杯10円だって」のセリフが記憶に残っている。


(左は発売当時の、右は現在のパッケージ)
製造元の永谷園はもともと宇治の製茶屋だった。江戸時代中期にそれまで赤黒くて味も香りの薄かった煎茶を現在のような薄緑色の煎茶を開発した永谷宗七郎をルーツとする。明治時代に分家が東京に進出し、煎茶に加えて昆布茶やアイスグリーンティなどを販売していた。戦後一時的に永谷園の看板を下ろしていたが、1952年に発売した「お茶づけ海苔」が大ヒットし、翌年永谷園本舗が設立された。「お茶づけ海苔」が唯一の製品だった。次の新製品は1958年のふりかけ「磯のふきよせ」まで待たねばならなかった。
1964年10月、まさに東京オリンピックと同じ時期に第三の新製品「松茸の味 お吸いもの」は世に出た。ただ関西ではお吸い物はある程度地盤を持っていたが、関東では味噌汁が強く苦戦を強いられた。そのためお吸い物単体ではなく、餅を加えてお雑煮ににするなどのアレンジメニュー提案でプロモーション活動をした。この路線は今でも続けられており、パッケージの裏面には和風パスタ、炊き込みご飯、茶わん蒸しなどのレシピが載せられている。
我が家では鰻丼やちらし寿司の時に出番が多いが、素麺のつゆにもなるし、アレンジレシピの中では炊き込みご飯が重宝されている。松茸の替わりにレシピではしめじを使っているがエリンギの方が見た目と食感が松茸に近い。貧乏人のなんちゃって松茸ご飯とでも呼ぼうか。和風パスタは好みではなかった。今度は電子レンジで茶碗蒸しにトライしてみよう。

「これで一杯10円だって」は過去のものになり今では一杯30円だがその価値は十分にあると思う。ネットでは業務用50袋入りを600円台で売っていて、これだと一杯13円だ。アマゾンで取り寄せてみたが、通常品が3グラムに対しこれは2.3グラムしかなく、当然具の量も少なく、おまけに椎茸が入っていない。でも小腹が空いた時に飲んだり、出汁代わりに使ったり、お茶漬けにしたりと用途はいろいろある。
永谷園は新製品の少ない会社だ。通常食品会社は毎年春に数品、秋に数品の新製品を出すものだが、永谷園は平均すると年に一つの新製品かそれ以下だ。もう少し頑張ってもらわないとメインのユーザーである老人はこの世からいなくなっちゃうよ!


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松茸の季節にはちと早いが、国産の松茸はとても手が出ないのでたまに買うときはカナダ産か中国産を選ぶことになる。ちょっと大味で香りに欠けるような気がするけど。昔も安くはなかったが今ほど高根の花ではなかった。時々母親が竹かごに入った松茸を買ってきて松茸ご飯を作った。当時輸入ものはほとんどなかったので全部が国産だったと思う。そんな頃テレビで柳屋小さんの「松茸の味 お吸もの」のCMが流れ出した。小さんがつぶやく「これで一杯10円だって」のセリフが記憶に残っている。


(左は発売当時の、右は現在のパッケージ)
製造元の永谷園はもともと宇治の製茶屋だった。江戸時代中期にそれまで赤黒くて味も香りの薄かった煎茶を現在のような薄緑色の煎茶を開発した永谷宗七郎をルーツとする。明治時代に分家が東京に進出し、煎茶に加えて昆布茶やアイスグリーンティなどを販売していた。戦後一時的に永谷園の看板を下ろしていたが、1952年に発売した「お茶づけ海苔」が大ヒットし、翌年永谷園本舗が設立された。「お茶づけ海苔」が唯一の製品だった。次の新製品は1958年のふりかけ「磯のふきよせ」まで待たねばならなかった。
1964年10月、まさに東京オリンピックと同じ時期に第三の新製品「松茸の味 お吸いもの」は世に出た。ただ関西ではお吸い物はある程度地盤を持っていたが、関東では味噌汁が強く苦戦を強いられた。そのためお吸い物単体ではなく、餅を加えてお雑煮ににするなどのアレンジメニュー提案でプロモーション活動をした。この路線は今でも続けられており、パッケージの裏面には和風パスタ、炊き込みご飯、茶わん蒸しなどのレシピが載せられている。
我が家では鰻丼やちらし寿司の時に出番が多いが、素麺のつゆにもなるし、アレンジレシピの中では炊き込みご飯が重宝されている。松茸の替わりにレシピではしめじを使っているがエリンギの方が見た目と食感が松茸に近い。貧乏人のなんちゃって松茸ご飯とでも呼ぼうか。和風パスタは好みではなかった。今度は電子レンジで茶碗蒸しにトライしてみよう。

「これで一杯10円だって」は過去のものになり今では一杯30円だがその価値は十分にあると思う。ネットでは業務用50袋入りを600円台で売っていて、これだと一杯13円だ。アマゾンで取り寄せてみたが、通常品が3グラムに対しこれは2.3グラムしかなく、当然具の量も少なく、おまけに椎茸が入っていない。でも小腹が空いた時に飲んだり、出汁代わりに使ったり、お茶漬けにしたりと用途はいろいろある。
永谷園は新製品の少ない会社だ。通常食品会社は毎年春に数品、秋に数品の新製品を出すものだが、永谷園は平均すると年に一つの新製品かそれ以下だ。もう少し頑張ってもらわないとメインのユーザーである老人はこの世からいなくなっちゃうよ!

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