マーケティング爺のひとりごと

外資系7社でチューインガムから抗癌剤までのマーケティングを生業としていた引退老人です。使えそうなデータや分析、気になった出来事、思い出、日々思うことなどをボケ防止のため綴っています。にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
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2025年02月

4月からプラごみの出し方が変わると横浜市からの案内が来た。去年から市内の9区で試行したものを全市に展開するという。そのあとに市の広報誌でも告知をするくらいだから市としても力を入れているのだろう。「ヨコハマ プラ5.3計画」というスローガンが掲げられ、燃やすごみに含まれるプラスティックを年間で市民一人当たり5.3kg削減するのが目的だという。
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年間一人当たり5.3kgだと二人世帯では10.6kg。一日当たり29グラムのプラごみを減らすのは毎日ごみを分別して捨てている老人世帯にとってはかなりアグレッシブな目標に思える。17年も専業主夫をやっているが、毎日買い物をすれば肉や魚だけでなく何種類かの野菜は石油由来の包装紙に包まれているし、調味料はほとんどがプラ容器だ。プラスティック資源をリサイクルして再生させようというのは理解できるが、これだけ多岐にわたって利用されているとアルミ缶のように97%再生というわけにはいかないだろう。

ごみの分別にも時間を使わねばならない。横浜市の場合はガイドラインが時々変わるのだ。昔引っ越してきたころは市の焼却炉は強力だから何でも燃やせると言われ、細かい分別は要求されなかった。プラが適当に混ざっている方が焼却温度が上がって燃費節約にもつながると聞いた。そのうち細かく分別指示が出て、それが時々変更される。食品ラップ、タッパー、食品保存袋やプラスティックのスプーンなどはリサイクルできるゴミだと思っていたら2022年のガイドラインでは燃えるゴミに分類されていた。今年の4月からはラップ、ポリ袋、チャック付き保存袋はプラスティック資源に分類し直されている。つまり燃えるゴミではなく再生されるプラごみになるのだ。
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これでは毎回ゴミを捨てるたびにマニュアルを読まねばならない。多くの人は今まで通りの分類をするだろう。マンションのゴミ置き場では毎回回収前に清掃員のおじさんが全部のプラごみの袋を開けて確認作業をしている。先月ごみ収集業者が管理不適切とされて市から業務改善命令を受けたらしく新しい業者に変わった。市が業者に管理の徹底を求め、管理業者がマンションの管理組合・清掃員に更なる徹底を依頼したための作業だと思う。他人のゴミをチェックさせるのは気の毒だと思う。

マイクロプラスチックが問題となりプラ製品やPETを避ける消費者も増えている。こんな水際作戦をとるより元を規制したほうが効率的なのではなかろうか。ポリ袋をやめてマイバッグに切り替えた人も多いのだから、プラスティック・トレーでなく経木を使うとか、プラボトルでなく再利用が簡単なガラスボトルに変えるなどを行政がリードして徹底すればプラゴミの量は減るのではなかろうか。私の世代は昔そうやって暮らしていたのだからできないことではないと思うのだが。

去年喜寿になったから先はそんなに長くはない。でも何かあっても少しでも生き永らえたいと思う老人の諦めの悪さ。今年は大災害が起こるのではないか、などという噂だか予言に踊らされ、半額セールの一言に乗せられてポータブル電源(蓄電池)とソーラーパネルのセットを買ってしまった。
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当初はテレビ通販のセットを買おうと思った。3万円位で安かったし小さいながらソーラーパネルも付いていた。しかし充電できるのはスマホ、PCに扇風機や電気スタンドのような小型家電に限られるし使用可能時間も長くはない。ならば同じメーカーの大容量の方が使う機会が増えるのではないのか、と考えていたら一週間のセールの広告が目に入った。45%オフでも10万円位になるが、1500ワットの出力があるので停電時に小型家電はもちろん電子レンジや洗濯機も使えるし、水道さえ止まらなければトイレも使用が可能になる。最近のトイレや電話は電気が止まると使えないのだ。

ネットで注文して3日後に届いた。ずっしり思い。10キロ強。取っ手がついているので家の中で移動したり、車に乗せる分には問題ない。電池残量が26%だったのでACにつないで充電すること約1時間半でフル充電となった。思ったより早い。試しに消費電力500ワットの布団乾燥機につないでみたらAC電源と同じように稼働した。4000回の充電に耐えると言うから毎日充電しても11年は使えることになる。1年1万円弱で安心が買えるのであれば高くはないだろう。日差しの強い時にソーラーパネルで充電すれば節電にもなる。ゼロからフル充電には半日くらいかかるが、7~8割からフルまでなら冬の朝の陽ざしでも3時間くらいで99%までチャージできる。
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かなり前から終活の一環として断捨離を始めた。書物、レコード、DVDやCDなどの処分を始めて身軽になろうとしている一方でこういうものを買ってしまう一種の矛盾。家の中には震災用に備えた非常食、携帯ガスコンロ、非常用トイレセット、LEDランタン数個。水は常に数ケースをローリングストックしている。富士山噴火に備えてゴーグルと防塵マスク、コードレス高圧洗浄機などなど。その上に今回のポータブル電源とソーラーパネルだ。火山学者はマグマは溜まっているのでいつ噴火してもおかしくないと煽り、地震学者は先日南海トラフの今後30年での発生確率を80%に引き上げた。研究費を得るために数字を上げているに違いないのだが、老人にこういう心配をさせてはいけないよねえ。

今日の日経の記事に懐かしい言葉を見つけた。エンゲル係数。小学校で習ったような気がするが、その後見聞きすることはほとんどなかった。記事の見出しは「個人消費、食料高が重荷 エンゲル係数43年ぶり高水準」だ。

記事の内容は、光熱費や食料の高騰で節約志向が強まり2024年の消費支出は実質で対前年比で1.1%減少した。食料は野菜、海藻、果物などの生鮮食品の減少が目立ち、対前年で0.4%のマイナスだった。消費支出が下がったことにより二人以上世帯のエンゲル係数は28.3%と1981年以来43年ぶりの高水準となった。
2025-02-07
エンゲル係数は日本では通常23から25くらいだと昔読んだ記憶があるが、28%とはちょっと高い。マーケティング爺としては我が家のエンゲル係数はどのくらいののだろうか確認せねばなるまい。後期高齢者世帯だから、あまり参考にはならないだろうが。

我が家の昨2024年の総支出から非消費支出を除いた消費支出は306万円だった。食費は年計で90万円だからエンゲル係数は29.4%になる(一昨年は24.8%だった)。二人以上世帯の28.3%より少し高い。所得が低いほど生活に必要な食費に割く割合が高くなるので、エンゲル係数が高いほど生活水準が低いと言われるが本当にそうなのだろうか。

エンゲル係数は食費割る消費支出で計算されるから、食費が増えるか消費支出が減ると数値は上がる。高齢者の場合は食費が急に増えるこことはあまり考えられないので、収入または消費支出が減るとエンゲル係数が上昇する。引退して年金生活に入れば収入は通常下がり食費の比率は高くなる。または他の出費が減ればエンゲル係数は上がる。例えば歳をとって住宅ローンや、子供の教育費、車の諸経費、耐久消費財への支出が減れば相対的に食費の比率は高くなりエンゲル係数が上がる。昨年の場合は消費支出が下がり食材費が上がるというダブル作用でエンゲル係数が上昇した。

逆に恒常的に他の出費が必要となるとエンゲル係数は下がる。下の国際比較でもわかるように医療費や家賃が高いアメリカでは、他の国と比べてエンゲル係数が低い。ただどの国もこの10年以上はエンゲル係数は右肩上がりだ。高齢者とそれに伴う無職世帯が増えていることがエンゲル係数の上昇につながるのは各国共通の問題なのかもしれない。
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