子供のころから広告が好きだった(36)
バブル期とは1986年12月から1991年2月までの4年強の期間に起きた好景気、資産の過度の高騰、よく言えば経済の拡大期とされる。今思うと狂っていた時代とも考えられるし、人によってはもう一度戻りたい懐かしの時代でもある。私にとっては40歳前後の働き盛りで仕事は面白く、会社の業績も5年で2倍に成長した時代だった。
現在の落ち目の日本からは想像もできないが、その象徴が企業の時価総額ランキングだろう。

上位20社中なんと日本企業が13社と過半数を占める。かつトップ5は全部日本の会社だ。この間の為替レートはそれ以前よりは強かったが121円から159円のレンジだったので、円が強くてドル換算の恩恵で膨らんだわけでもない。そのころ読んだE.ボーゲルの「ジャパン アズ ナンバーワン」やR.クリストファーの「日本で勝てれば世界で勝てる」の時代が来たと本気で考えていた。
そんな時代の空気は当然広告にも影響する。まず思い出されるのがリゲインの「24時間戦えますか」シリーズだ。サラリーマンに扮した時任三郎が世界中を駆け回りながら「24時間戦えますか」と唄いながら働き倒すというCMだ。ジャパンマネーが世界を席巻していた時代だったし、企業戦士という言葉も定着した。今思えばブラックの最たるものだが当時は人気のCMで流行語となった。


ただこうした熱血広告一辺倒ではなく、経済成長の恩恵を受けて余裕も生まれてきた時代でもあったのでゆとりのある広告も存在した。リゲインの対極を行くグロンサンは高田純次の「5時から男」で終業後の充実を訴求したし、バブル真っ最中の87年に流されたコカ・コーラのCMは高揚感や将来への希望が見えるあの時代の雰囲気を良く表していると思う。


金余りの時代でもあったので広告主はギャラにこだわらずに外国タレントを多用した時期でもあった。毎日のようにCMでシュワルツェネッガー、マイケル・J・フォックス、マドンナ、マイケル・ジャクソン、マライア・キャリー、ジーン・ハックマン、ハリソン・フォード、グレグ・ノーマン、トム・ハンクス、ショーン・コネリーなどの顔を見ることができた。本国では決して出演を受けないであろう車、煙草やアルコール飲料の広告の仕事も日本だけでのオンエア契約と高額ギャラで押し切ったような感じだった。

上記はダイアン・レインの宝石店の広告だが、この時期の深夜帯はこの手の広告ばかりだった。カメリアダイアモンドを販売していたじょわいゆ・くちゅーるマキや武富士、ハウスのCMが5分に一回は流れていた。いわゆる「青天井」と呼ばれる販売方法で、空いている時間にお任せで挿入CMをすることにより、TV局は売りにくい深夜ゾーンのスポット広告枠が捌け、広告主はリーチは限定されるものの安価にスポットが購入できるというメリットがあった。いまではこんな予算を無視するような販売方式はないんだろうなあ。
ともあれ、そんな時代だったのです、バブル期は。
注:時価増額ランキングの東洋銀行は東海銀行だとおもいます
バブル期とは1986年12月から1991年2月までの4年強の期間に起きた好景気、資産の過度の高騰、よく言えば経済の拡大期とされる。今思うと狂っていた時代とも考えられるし、人によってはもう一度戻りたい懐かしの時代でもある。私にとっては40歳前後の働き盛りで仕事は面白く、会社の業績も5年で2倍に成長した時代だった。
現在の落ち目の日本からは想像もできないが、その象徴が企業の時価総額ランキングだろう。

上位20社中なんと日本企業が13社と過半数を占める。かつトップ5は全部日本の会社だ。この間の為替レートはそれ以前よりは強かったが121円から159円のレンジだったので、円が強くてドル換算の恩恵で膨らんだわけでもない。そのころ読んだE.ボーゲルの「ジャパン アズ ナンバーワン」やR.クリストファーの「日本で勝てれば世界で勝てる」の時代が来たと本気で考えていた。
そんな時代の空気は当然広告にも影響する。まず思い出されるのがリゲインの「24時間戦えますか」シリーズだ。サラリーマンに扮した時任三郎が世界中を駆け回りながら「24時間戦えますか」と唄いながら働き倒すというCMだ。ジャパンマネーが世界を席巻していた時代だったし、企業戦士という言葉も定着した。今思えばブラックの最たるものだが当時は人気のCMで流行語となった。


ただこうした熱血広告一辺倒ではなく、経済成長の恩恵を受けて余裕も生まれてきた時代でもあったのでゆとりのある広告も存在した。リゲインの対極を行くグロンサンは高田純次の「5時から男」で終業後の充実を訴求したし、バブル真っ最中の87年に流されたコカ・コーラのCMは高揚感や将来への希望が見えるあの時代の雰囲気を良く表していると思う。


金余りの時代でもあったので広告主はギャラにこだわらずに外国タレントを多用した時期でもあった。毎日のようにCMでシュワルツェネッガー、マイケル・J・フォックス、マドンナ、マイケル・ジャクソン、マライア・キャリー、ジーン・ハックマン、ハリソン・フォード、グレグ・ノーマン、トム・ハンクス、ショーン・コネリーなどの顔を見ることができた。本国では決して出演を受けないであろう車、煙草やアルコール飲料の広告の仕事も日本だけでのオンエア契約と高額ギャラで押し切ったような感じだった。

上記はダイアン・レインの宝石店の広告だが、この時期の深夜帯はこの手の広告ばかりだった。カメリアダイアモンドを販売していたじょわいゆ・くちゅーるマキや武富士、ハウスのCMが5分に一回は流れていた。いわゆる「青天井」と呼ばれる販売方法で、空いている時間にお任せで挿入CMをすることにより、TV局は売りにくい深夜ゾーンのスポット広告枠が捌け、広告主はリーチは限定されるものの安価にスポットが購入できるというメリットがあった。いまではこんな予算を無視するような販売方式はないんだろうなあ。
ともあれ、そんな時代だったのです、バブル期は。
注:時価増額ランキングの東洋銀行は東海銀行だとおもいます
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