マーケティング爺のひとりごと

外資系7社でチューインガムから抗癌剤までのマーケティングを生業としていた引退老人です。使えそうなデータや分析、気になった出来事、思い出、日々思うことなどをボケ防止のため綴っています。にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
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カテゴリ: 販売・流通

うちの近所のスーパーやコンビニではあまり扱いがないのだがタカキベーカリーのパンは好きなパンのひとつだ。最近のお気に入りは全粒粉入りの6切れフランスパンで、おいしくて妥当な値段(258円)だ。ヨーロッパの伝統的なパンを目標にしているみたいだ。石窯で焼いているらしく石窯パンとの表示がある。オーブントースターで焼くと皮はパリッ、なかはしっとりもちもちしている。
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タカキベーカリーの名を聞いたのは45年くらい前だった。広告代理店に勤務していた時に新規クライアントを獲得するための全社プロジェクトが開始され私にあてがわれたのはタカキベーカリーのチームだった。その時は社名も知らず「なんで広島のパン屋」を狙わなければならないのか分からなかった。

タカキベーカリーは被爆からちょうど3年目の1948年8月に広島市で誕生した。製パン業に加えて1967年にレストラン併設の広島アンデルセンを、1970年に青山アンデルセンを開店し、1972年には特許取得した冷凍パンの製法を利用してフランチャイズ店舗のリトルマーメイドの展開を開始した。2002年にはアンデルセングループを名乗り、タカキベーカリーは持ち株会社のひとつとなった。プロジェクトに参加した時には既に青山アンデルセンは開店しており私も大学生の時にデートで一度食事をしたことがあったのだが、タカキベーカリーが経営しているとは知らなかった。当時は知名率も低かったがいくらなんでも不勉強で、当然新規クライアントを獲得することはできなかった。
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社名のアンデルセンはデンマークの童話作家に由来する。創業者の高木俊介が1959年にコペンハーゲンで食べたデニッシュペストリーに感銘を受けて以来デンマークをお手本としてきた。デニッシュハートというデニッシュペストリーも発売しているし、リンゴやブドウなどを栽培する農場は「アンデルセンファーム」と名付けられている。それらの縁で1981年にデンマーク女王が来日した際に広島アンデルセンを訪問された。当時のメディアの反応は「なぜ広島に?」と言う感じだった。まだタカキベーカリーの認知は低かった。その後も1987年にはデンマーク皇太子が、2011年には第二王子が広島アンデルセンや青山アンデルセンを訪れている。高木俊介は1984年にデンマーク王国から騎士勲章を授けられ1986年には名誉領事に任命されている。

パンは良心的に作られていておいしく安心して食べられる。アンデルセンはデンマーク王国との関係だけでなく同国に出店もしているし(他に香港などにも)、冷凍パンの開発、「アンデルセンのメルヘン大賞」の設立など地方の私企業としては活発でユニークな事業展開をしている。また今では普通にみられるトングとプレート使用のパン屋のセルフチョイス方式を初めて採用したのも広島アンデルセンだ。関東ではアンデルセンやリトルマーメイドの名前は十分知られるようになったが、タカキベーカリーの浸透度はイマイチだ。先日近所のデパ地下のアンデルセンでバゲットを買った時に「ここは広島のタカキベーカリーですよね?」と言ったら、店員さんがすごくうれしそうな顔をしたのが印象的だった。

1971年7月20日三越の銀座通りに面した一角にマクドナルドの上陸第一号店がオープンした。その2か月前に大学を処分された私は銀座まで出かける元気もなかったが、テレビニュースでその騒動を見ていた。ハンバーガーを買うために長蛇の列ができ、メディアも多数集まり、周辺ではピエロが開店チラシを配っていた。
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ハンバーガーがどんなものかはみんなうっすら知ってはいたが、味にうるさい日本人の口に合うのかと訝しがる人も多かった。しかし一号店が日本の中心地である銀座のど真ん中だったこと、前年から銀座で歩行者天国が開始されていたこと、日本経済が高度成長期の真っ最中で沸き立っていたこと、などが重なり連日の大混雑だった。

当時の値段はハンバーガー1個が80円だった。マックフライは70円とちょっと割高で、コーヒー/コーラ/ファンタは50円だった。学食のカツ丼やカレーライスが70円、近所の洋食屋の定食が200円だった頃だ。私には値段よりも店内の見えるところでパテを焼き、ポテトを揚げてすぐその場で客に出すという見せるプロセスが新鮮だった。32秒で焼き上げるスピードもそうだが、売れ残ったハンバーガーは10分で、ポテトは7分で廃棄処分するというのが驚きだった。アメリカ式のマニュアル通りと言えばそうなのだが、「え、捨てちゃうの、もったいない」と皆が思った。

子供たちは給食でパンに慣れていてハンバーガーに抵抗がなかったこと、喫茶店入店を禁止する中学・高校は多かったがハンバーガーショップは禁止対象でなかったこと、外食と言えば寿司屋やレストラン中心で亭主がいないと行きにくかったがマクドナルドなら主婦も入りやすかったためハンバーガーは広い客層に受け入れられ一気に外食市場に入り込んだ。200円でおつりがくる値段も魅力だった。一号店には客席がなかったため、路上でハンバーガーを食べる若者が溢れ、それまでの立って食べる、歩きながら食べるというタブーをもいとも簡単に打ち砕いてしまった。

2年後の1973年からはテレビ広告を開始した。「味なことやるマクドナルド」のCMソングが首都圏に大量に流され、知名度が急上昇した。東京の後は京都、大阪、地方都市にチェーン店を展開し5年後の1976年には100店を突破した。その後1993年に1000店を、1996年に2000店を、1999年に3000店を記録した後現在もその数を維持している。
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正確にいうと、米が買えないわけではない。望んでいるコメが望んでいる価格で買えないだけだ。買えない理由は下記の3点。
①今まで米は安すぎたと思う。しかし年金生活者は銘柄米に1キロ800円以上は払いたくない。
②この春に車を廃車にしたのでスーパーで安い5キロ米を買って車で家まで運べなくなった。
③頼みの綱の生協の宅配も値段が上がり、かつ数量限定で抽選制になった。

二カ月前に「コメの価格は下がらない?」でも書いたが、ずっと食べていた「こしひかり」や「つや姫」は5キロで2300円位だった。それが昨年秋には4000円台になり、今では4500円近い。2300円は安すぎだとは思うが、2倍は高すぎる。これ以上値上がると更なるコメ離れが起きるし、価格決定権を流通側に与え続けてはいけない。それを防ぐためにもキロ800円以上払ってはいけない。

近所で米が一番安いのはオーケーストアだが(それでも最近はキロ800円を超えるものが多い)、車を諦めたのでこの夏の酷暑の中を5キロの荷物を徒歩で15分運ぶのは後期高齢者には地獄だ。2キロなら他の荷物と一緒になんとか運べるが2キロの銘柄米だと選択肢がすこぶる限られる。
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それで生協の宅配となるのだが、最近は値段が近所のスーパーより高いことも多く、かつ数量限定で抽選に当たらないと買えない。まるで戦時中の米配給制のようだ。何万人の会員がいるのか知らないが限定数800ではまず当たらない。応募が少ないと思われる2キロを申し込むのだがこちらは供給数がさらに少ない。5キロは続けて落選したので最近は2キロ狙いだ。先週やっと当たった。コメを買うのにこんなに苦労するとは。下のヒノヒカリはオーケーで2キロ1599円、金芽米は生協で2.5キロで1990円で共にキロ800円未満。
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ニュースでは新米が流通されれば価格は下がると言っていたが、売られ始めた新米は予想より高い。JAが農家に前払いする概算金が前年より約3割高いからこれは当然で5キロで4500円前後、前年より1500円位高い価格で店頭に並ぶという。早場米でも高いものは5キロ5500円の値がついているものもあり、この夏の米どころの猛暑と渇水を考慮すると大きく下がることは期待できそうにない。
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消費者の弱みを見透かすようにネットではブランド米10キロ3990円(配送費込み)などの詐欺広告が頻繁に表れる。農家が消費者に直接売るサイトもあるが妥当な価格の米はすべて売り切れの表示が。おいしい米を妥当な価格で求める高齢者の米探しの旅は今日も続く。

米はずっと魚沼産のコシヒカリを食べていた。2023年の作柄が良くなくて味が落ちた気がしたのでつや姫に変えた。名前の通りつやがあるし好みの典型的なSticky Riceだ。生協で買うと5キロで2300円位だった、2023年末までは。それから価格は上昇をはじめ2500円から2800円台へあがり、昨年夏には3500円に、そして10月には4082円と最高値となり今年の3月には4427円と記録を更新した。確かに今まで米は安すぎたのかもしれないが、いくらなんでも高すぎるので少し安いゆめぴりかに切り替えた。

しかし銘柄米の値段はさらに上昇し5キロ4700円から5000円が普通になった。老夫婦二人で米を炊くのは夕食だけなので5キロあればひと月は持つ。育ち盛りの子供を持つ家庭と比べると負担は少ないが理由が明確でないまま値上がりするものを買い続けるのも腹が立つ。多少味を犠牲にして5月は北海道産のななつぼしを、6月には茨木産コシヒカリを購入した。ななつぼしは4190円、コシヒカリは4319円だった。

そんななか農水大臣が更迭され小泉新大臣が就任した。矢継ぎ早に備蓄米を放出し近所のスーパーでも時々目にするようになった。しかしこれは抜本的解決にはならない。90万トンあった在庫は10万トンになりこれ以上の出荷はできない。秋の収穫も例年通りかそれ以下と予測されている。下図で分かるように日本の人口が増え続けていた2008年以前でもコメ離れが起きていて総需要量は下降トレンドだった。需要減に合わせるように価格維持のための減反政策をとってきたのだから生販のバランスはとれていると言ってもよい。新米の収穫が予想通りなら値段が下がる要素はまずない。
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このトレンドを信じるならば昨年度は多少需要が上回っているもののパニックが起きるほどのことではない。米を切らすことができない外食産業が在庫を積み増していることはありうるし、それによる「不足感」が市場を混乱させているとも考えられる。政府は入札で販売した備蓄米30万トンが投機筋が抱え込んでいるとか、流通が目詰まりを起こしているとか、インバウンドで需要が増えたとか説明していたが、投機筋が抱えている量はさほど多くはなく、かつこれは高値になったことで起きた結果であり原因ではない。大手流通会社は目詰まりなどありえないと言っているし、インバウンド消費で悪者視された中国人は南部の中国人は米を食べるが北部の人は小麦粉で作る麺やマントウ(蒸し饅頭)が主食なのでそんなに米は消費していないと言う。

もうひとつ考えられるのは上記グラフの生産量の信憑性だ。生産量は玄米ベースで発表されるが、通常精米されるときに1割ほど胚芽部分が減る。前年は作柄が良くなく精米時に割れなどにより2割減ったという農家の報告もある。つまり生産量(玄米)と消費量(精米)の乖離が前年の作柄によって拡がったことが原因のひとつだ。また作柄が悪く精米したコメが小さくなると主食用ではなく外食用にまわされ、さらに小さいものは煎餅などの菓子用に使われることになり米不足の一要因にはなりうるらしい。

一部ではいまだ米は特別な主食と捉えられているが、家計調査を見ても米の購入金額は年2万7196円で、パンの3万4609円より21%も低く麺類(2万2114円)を加えた小麦製品の半分にも満たない。その小麦粉もキロ当たり352円と41%も値上がりし、パンだっていつも買っている超熟は168円から243円と45%も上がっている。それを全く問題視せず米の価格ばかり取り上げているメディアも少しは反省してもらいたい。ま、小泉大臣はメディア受けするキャッチーな発言をするし、テレビ局はスポンサーとして米屋よりパン屋を忖度する気持ちも分からないではないけどね。
 

この一か月キャベツの価格が激しく動いた。都内ほどは高くはならなかったが最近は498円から398円、そして今日は298円だった。ブロッコリーとほうれん草は398円だった。以前は野菜類の値段は248円とか138円の中間値もあったのだが、最近は100円単位で上下している気がする。しかし、どうしてみんな末尾が98円で終わるのだろうか。
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これは端数価格戦略と呼ばれる、敢えて切りの悪い価格を提示することによって大台を意識させないでお得感、値ごろ感を演出する手法だ。「大台割れ価格」と呼ばれるだけあって本来は1000円でなく998円とか980円、10万円でなく9万9800円とかで用いられてきたが、それが低価格帯にも適用されるようになった。同じ20円引きでも600円を580円に値引きするより、値引き率は低いが1000円を980円に値引いたほうが桁数が変わって心理的インパクトが大きいからだ。

昔は端数などは使わなかった。個人商店などの小売店から見れば計算して小銭でお釣りを出すのは手間だからだ。レジもなかったしね。肉屋に行けば「100匁200円」の手書きの値札があった(古っ!)。端数価格の浸透ははスーパーマーケットとキャッシュレジスターの成長とともにあったと言っても過言ではないだろう。

またこの端数価格戦略には、仮にスーパーで100グラム100円の肉と98グラム98円の肉が並んでいたら同じグラム単価でも98円の方を選んでしまう人が多いであろうという心理的マジックもある。端数効果だ。ただ8で終わるのは八が末広がりの意味を持つ日本だけのことかもしれない。アメリカなどではほとんどが9とか.99(99セント)が用いられる。
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以前電鉄系のスーパーで表示価格を98円ではなく97円にしたらどうなるかという実験をした記事を読んだことがある。たしかそこそこの効果はあったというのが結論だったが、その後広まる気配がなかったのは日本人の末広がり信仰のせいなのだろうか。

ただこの末端価格は消費税抜きの価格であることがほとんどなので、内税表示では大台を超えてしまって意味をなさない。これがスーパーなどでいまだに税抜きの本体価格を大きく表示して、税込み価格をおまけのように小さく付け加える値札に固執する背景になっている。

崎陽軒のシウマイ弁当は好きな弁当なのだけど値段が弁当の割には少し高い。街の弁当屋やコンビニ弁当と比べる気はないが、一日に2万7千も売れる日本一の弁当ならもう少しコスト削減できるのではなかろうかと考えるのは外資でコストを削れと言われ続けてきた習い性かもしれない。つい最近来月から1000円越えへ値上げとの発表があり、値上げ前に食べねばと買ってきた。
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現在は950円だが来月からは1070円になる。米がこれだけ上がっているから仕方ないかもしれないが、強気の120円の値上げ、パーセントにしたら13%アップ。1980年代に横浜に引っ越してきた時は600円だった。それから25年経っても710円だった。ハマのソウルフードだと思って毎月のように食べていた。蒸かしているからご飯が冷めてもおいしいし量もたっぷりある。2008年に値上げして780円になったが、2010年には30円値下げして750円となった。いいところがあるじゃないかと思ったが、その後は2014年に二回の値上げ、2016年と2018年にも値上げして860円となり、2022年には900円に2023年には950円と価格改定した。原材料や人件費が多少上がったのかもしれないが、2000年からのデフレが20年間続いた世の中で5回の値上げはちょっと許しがたい。努力が足りなかったんじゃないの。その間にJAS法違反もあったし。

それで過去の値上げを調べると、1954年に100円で発売してから次が18回目の値上げだ。プラス1回の値下げ。4年に一回の値上げが多いのかどうかは判断できない。ただ消費者物価指数の伸びと比較して作表してみるとこんな感じになる。
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上の黒点付きの黄色の線がシウマイ弁当の値段の移り変わりで、下の青の線が消費者物価指数。両方とも1953年をゼロの起点としている。70年代以降シウマイ弁当の価格はCPIをコンスタントに若干上回るくらいで推移していたが、乖離が目立ち始めるのは2008年以降かな。そこからは一般的な物価の値上げを下に見るように上昇している。一時は全国展開も考えた崎陽軒だったが、ヨコハマ再集中でブランド力を強化したものの、地元民と出張客だけでは更なる売り上げ拡大は困難とみて値上げに踏み切ったのだろうか。客を甘く見るとやけどをすると思うのだが。

そう思うのも2022年に頼りなさそうに見える慶応出の四代目が社長になり、就任して数か月後にシウマイ弁当からマグロの照り焼きを外し代わりに鮭の塩焼きを入れたことから始まる。その理由がコロナ禍の世界的なサプライチェーンの混乱でマグロの必要量を確保できなくなった、という信じられないものだった。近所の中央卸売市場やスーパーにはいつもと同じようにマグロは並んでいる。買い負けたなんて社長が言ってはいけない。そう思っていたら一週間後にマグロに戻した。サプライチェーンは一週間では急変したりはしないものだ。一週間後に手に入るのだったらその前の週にも手配できただろうと思う。頑張ってマグロを提供し続けるのが経営責任じゃなかったのか。パッケージまで鮭のものに変えたのに、それをまた戻すなんて節度がない。それに鮭が気の毒だ。その数日後こんどは翌月からシウマイ弁当を40円値上げして900円にするとの発表があった。とんでもないドタバタがあったのだ。

穿った見方をすればこの40円の値上げを正当化するためにマグロを出しにして原材料の高騰を訴え、一週間だけ鮭にお勤めをしていただき、やっぱり鮭では務まらないから高価なマグロにもどしますから値上げの方ををよろしくね、とあのボンクラ社長が言っているような気がした。購買者のことなんか全く考えていないみたいだ。若社長が専務時代に出たNHKの崎陽軒のドキュメンタリーでその頼りなさ、心もとなさを晒しだし「えっ!これが次期社長?崎陽軒危うし!」と思ったが、その気持ちはいまだ変わっていない。1000円という心理的な閾値を超えた今度の値上げは崎陽軒にとっては要注意ですよ。

衝動買いした都内のマンションが住みづらかったので、元町に店を持っていた義父の勧めもあって建ったばかりのパークシティ本牧に部屋を借りた。1987年だった。浜っ子の家内は本牧の米軍宿舎をフェンス越しに覗いていたことをを憶えているので、あこがれの街に住めると喜んでいるようだった。ただ駅からは遠くJRなら石川町、東急線なら桜木町からバスを使わなければならなかった。数年後には地下鉄が延伸されるという話だった。広い平らな原っぱにタイル張りの新築マンションが9棟建っていた。本牧原という住所名にピッタリの風景だった。
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小3の娘は毎日片道2キロの道を草をかき分けながら間門まで通学しなければならなかったが、そのおかげで喘息が治った。買い物も便利とは言えず、週末には車で元町ユニオンに出かけた。不動産屋は駐車場なんかいりませんよ、原っぱにとめておけばいいんですと言ったが、そうもいかず原っぱの一角の7千円の駐車場を借りた。

数か月後に状況が変わった。89年春の開業を目指すマイカル本牧の工事が始まったのだ。そんなことは聞いていなかった。まわりの草は刈られて整地され、目隠しのフェンスが建てられそこにアーティストたちが思い思いの絵を描いた。白地バックに鮮やかな色で描かれたポップな絵画は夏の太陽に映えて、日本ではないような光景だった。
騒音と埃には悩まされたが予定通りにマイカル本牧は完成した。高級ブティックやブランド店も嬉しかったが、スーパーと映画館や劇場が併設されているのが一番ありがたかった。すぐマイカルカードを作った。
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出来上がった建物は壁はごく薄いベージュがかった黄色、屋根は三角でオレンジ色というスペインを想起させる配色で全10棟。わが家の前の道は「イスパニア通り」と名付けられていた。コンセプトはアーバンリゾートで、180ものショップやレストラン、スポーツ施設などが入っていた。前宣伝も派手だったので開店時から大変な混雑となった。もともとバス便しかない場所なのでバスはいつも満員、車で来る人も多く駐車場待ちの車が道路をふさぐので週末は車に乗る気がしなくなった。おまけに地主が強気になって7千円の駐車場は一気に2万円に跳ね上がった。マイカル本牧は大規模な流通実験として全国的にも注目され観光バスの目的地にもなったので店も道も混んだ。初年度はディズニーランドを超える1500万人が訪れたという。

食品や日用品はサティで買い、時々は5番街のブティックで買い物をし、夕食後に毎週のようにシネコンで映画を見た。足の便が悪いせいか最終回は我々夫婦二人だけのことがほとんどだった。家から1分で行けるのは楽だった。家内はスポーツジムに通い、見たい演目があるとアポロシアターにも足を運んだ。オフィサーズクラブにも飲みに行った。食事を作るのが面倒な時は走って行ってピザやハンバーガーが買えた。なんとなく生活が彩を帯びたような気がした。

しかしオープンから2年もしないうちにバブルが弾けた。電車の便がない本牧は寂れはじめると一気に下降が始まる。売り上げが下がると高い賃料が足かせになる。閉店後にプティックの店員が「今日はブレスレットが1個売れただけだった」と話しているのを聞いたことがある。5番街のカステルバジャック、アクアスキュータム、ベネトンなどはさっさと撤退した。アポロシアターも客が来なくなり、マンションのポストに週末の公演の無料券が何回も入っていた。客が少ないと演者にすまないと思ったのだろう。しかしクラシックバレエやクラシックコンサートの公演の時は初めて見る客が多いようで拍手をしてはいけないところで大きな拍手が起きたりした。レストランも閉店が続きマイカルが目指した未来都市、小粋なアーバンリゾート構想はガラガラと崩れ始めた。

結局地下鉄が延伸することもなく陸の孤島のようなってしまったマイカル本牧。バブルの崩壊だけでなく、93年にはランドマークタワーが完成したみなとみらい21地区に客を奪われるようになると業績はさらに悪化した。経営再建のため大半の建物を売却したが状況は変わらず、2011年にイオンに吸収合併される形でマイカルそのものが消滅してしまった。マイカル本牧、22年の短い生涯だった。

野菜も値段が上がっているが果物も同等かそれ以上に高くなっている。わが家は朝食には必ずフルーツがつく。新婚旅行でカナダに行ったときに独身時代にろくな朝飯を食べていなかったため朝食のおいしさに驚き「うまい!」と言ったばかりにその時と同じ朝食が何十年続いている。パン、コーヒー、ヨーグルト、フルーツの4点セットだ。フルーツならサラダを作るより簡単だし。
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結婚して住んだのは新高円寺駅近辺だった。近くに三平ストアという低価格スーパーマーケットがあり、果物をいつも安く売っていた。リンゴや梨や柿など季節のフルーツがザルに4~5個のっていて200円だった。安月給だったので果物だけでなく食料全般をこのスーパーで買って随分助けられた。そんな昔と比べても仕方はないのだが、最近の果物の値上がりはひどい。今日も近所のスーパーでフルーツを選んだが、選択に悩んでしまった。秋の果物の中で梨は好きなもののひとつなのだが、1個で350円、2個で698円の値が付いている。最初に市場に出る幸水と比べると今の時期の梨は高いことは知っているが手を出しにくい値段だ。
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その他にも半年前は5個で398円だったキウイと4個で同じく398円だったグレープフルーツが共に498円に上がっていた。かつ値上げ幅を抑えるためか両方ともいつもより品質が下がっているような気がする。結局今日は4個で598円のネーブルオレンジを買ってきた。よく考えたらオレンジもこないだまで4個で398円だった。それが498円になり今では598円。それもサンキストなどの米国産はほとんど見かけなくなり、今日買ったものも南ア産だ。
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グレープフルーツもそうだがオレンジも南ア産はフロリダ産に及ばない。なぜ米国産を見かけなくなってしまったのだろうか。昔は車を輸出した船が手ぶらで帰るのはもったいないので安価な運賃で西海岸からフルーツを運んで帰った、という記事を読んだことがある。輸送費が安かったこともあるだろうが、最近は米国でも値上がりが激しいので日本が買い負けているのだろう。下図を見ると米国でもこの3年で約4倍になっている。
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為替レートも影響しているに違いない。2011年当時110円前後だった為替は今年は150円前後。去年398円だったものが598円になってもおかしくはない。輸入フルーツも国産の梨やリンゴもこんなに値上がりするのなら(国産品は猛暑と台風のせいで今年だけのことだと思いたい)、消費者は安い果物にシフトするか購入回数を減らすしか選択肢は残っていない。

農水省は「毎日くだもの200グラム運動」を提唱しているし、厚労省は令和14年度の果物摂取の目標値を200グラムと設定している。これはフルーツの摂取量が下がっているので農家保護のため国が動いているのだと思われる。ある調査でも果物の購入頻度は「ほとんど買わない」が1位で「週に1~2回」が2位となっている。この高値が続けば野菜より必需性の低い果物の購入頻度はさらに下がり、価格は上昇し買わなくなるという負のスパイラルに入り、我が家の朝食メニューに影響が出るかもしれない。

野菜や果物の価格が予想以上に高騰している。主婦はやりくりに四苦八苦し、生産者も異常ともいえる気候の変動に振り回される、とどのテレビ局も報じている。たしか同じようなことが一年前にも起きていた。
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我が家の家計簿をチェックすると、毎月の5~8万円の食費(飲料、酒、外食除き)のうち最大の支出は野菜でコンスタントに1万円を超えている。それに続くのは菓子、総菜・調味料、果物、肉、魚、パン、乳製品、コメなどである。ちなみに先月9月の食費は対前年比で+15.1%、野菜の購入費は同+48.6%だった。私は単なる野菜好きで菜食主義者ではないが野菜だけでこの上昇は年金生活者の家計へのインパクトが大きい。

今日もスーパーの野菜売り場で考え込んだ。葉物野菜が高い。いつも150円から198円くらいのホウレン草が398円だ。大晦日でも298円だったのに、この値段では主婦は素通りする。100円台で買える小松菜に流れる。隣にあるはずのセロリが今日は見当たらない。あまりに高くなって売れなくなり、傷むくらいなら仕入れないという選択をしたように思われる。セロリは意外と傷むものだ。私も小松菜にした。
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野菜価格の乱高下が続くので、大雨が降ると数日後に葉物野菜や根菜類が高騰すること、台風の後では露地野菜の値段が上がり、酷暑が続くと葉物野菜やトマト、ピーマンなどが高値になることは体験上憶えてしまった。生産者も大変であることは理解している。暑い日が続くと落花したり発芽しなかったりで生産量が減るし形の悪いものが増える。台風が来れば野菜だけでなくコメや果物にも大きな影響が出る。風や雨だけでなく最近は停滞する台風が多く日照時間が減るために生育不良を招く。台風のために年に一度の収穫がなくなることは親戚が果樹園をやっていたのでよく聞いた。その年の収入がなくなるのだ。生産量が落ちれば需給のバランスで価格が上がるのは市場の原理である。

農家の苦労も分かるのだが、年金生活の後期高齢者は自分の生活も守らねばならない。何件ものスーパーを廻る元気はないので、棚の前で値札を睨み、頭の中で数少ないレパートリーから今晩のメニューを考える。クリエイティブな作業といえばそうなのかもしれない。昨日までは涼しくて秋到来と思ったら、また暑さがぶり返した。しばらくはメニュー選び苦労しそうだ。
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最近はウェザーニュースが野菜価格の予報までするようになっている。そんなことより最近外れることが多い天気予報の精度を上げる方が大事なんじゃないの?

結婚した当時住んでいたマンションの水はおいしくなかった。コーヒーや日本茶をおいしく飲もうと小瓶入りのミネラルウォーターを贅沢だと思いながら買っていた。1瓶500ccが50円位で、たしかサントリー製だった。バーで水割りを頼むとバーテンダーが運んでくるあの水だ。バーではいつも栓が空いたまま持ってくるので中身は水道水ではないかと疑っていた。

当時売られていた水は業務用製品だけで、用途は水割り用か乳児の粉ミルク用だった。ミネラルウォーターという名前もなかった。その数年前イザヤ・ベンダサンが「日本人とユダヤ人」の中で、「日本人は水と平和はタダで手に入ると思っている」と書いて衝撃を与えた。たしかに平和ボケの時代だったが、自衛隊や在日米軍のコストが税金で賄われていることくらいは皆知っていたので平和はタダとは思わなかったが、水はタダではないという感覚はなかった。状況は今でも変わらないが、喫茶店や蕎麦屋、レストランに入るると黙っていてもどこでもお茶または水が出てくるのは日本だけだ。それもタダで。

だから1982年に1リットル以上のPETボトルが清涼飲料用に認められ翌年ハウス食品から「六甲のおいしい水」が発売された時は、高品質の水が蛇口をひねれば出てくる国で誰が金を払って水を買うのかと思った。60年代に発売された缶コーヒーは徐々に浸透しつつあったが、80年代に市場に出たポッカの缶入りほうじ茶や伊藤園の缶入り煎茶は苦戦を強いられた。まだ「お茶はタダ」の時代だったのだ。しかし主力の茶葉事業が縮小している製茶メーカーの伊藤園は簡単に諦めるわけにはいかない。89年に「缶入り煎茶」を「お~いお茶」と名前を変え、ルートセールスの強みを生かして弁当と一緒に売る戦法で扱い店舗を増やし、売り上げを前年の3倍である40億円まで伸ばした。
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伊藤園が次に手掛けたのがペットボトルの緑茶飲料だ。缶と異なりリキャップできるメリットは大きい。しかし缶では気にならなかった沈殿物の存在は中身が見えるPETでは致命的だ。苦心の末茶殻をろ過する特許フィルターを開発し、1990年に1.5リットルの「お~いお茶」を発売した。その後飲料業界には追い風が吹き始める。90年代に入るとマンションの貯水タンクの水質問題が起き、安全な飲料への関心が高まった。96年にはそれまでゴミ散乱の懸念で禁止されていた1リットル未満のPET清涼飲料がリサイクル体制の確立で許可されるようになった。その頃私は飲料業界にいたが容器が足りず各社で500ミリPETボトルの争奪戦だった。そして2011年の東日本大震災。これ以降ミネラルウォーターをはじめとする飲料を災害時の飲料として備蓄する家庭が急増した。わが家にも6ケースのローリングストックが常時ある。
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伸び続ける緑茶市場にはキリン生茶(2000年)、サントリー伊右衛門(2004年)、コカ・コーラ綾鷹(2012年)と飲料大手が参入し緑茶戦争の様相を呈した。これらに対応するために伊藤園は2000年には他社に先駆けてホット対応のペットボトルの開発・販売をし10万店の販売店に専用ウォーマーを無償で提供した。2001年からは九州中心にお~いお茶専用畑を契約農家と作って原材料の調達を確保し、2004年には「お~いお茶濃い味」の発売、2012年以降はシンガポール、タイ、中国、ハワイに子会社を設立するなどトップブランドを守る施策を立て続けにとってきた。また2011年には大塚食品と、2019年にはアサヒ飲料と自販機の製品相互販売契約を結んでいる。大手と比べて少ない自販機経由の販売を強化するためだ。

経営としては自社農園も自社工場も持たないファブレス経営で開発力、機動力と提携先との協力関係がビジネスドライバーとなっている。ちなみに茶系飲料は金額ではコーヒー飲料の後塵を拝しているが、生産量では圧倒的一位で伊藤園はトップシェアを維持し続けている。

ここ20年以上花粉症に悩まされている家内が毎年この季節になると買い込む商品がある。「じゃばら」だ。ゆずに似た小型の柑橘類で酸味と苦みが強いのが特徴。邪払(邪気を払う)と書かれることもある。これが花粉症に効くらしい。
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もとは和歌山県の北山村に自生していた他の地域には見られない柑橘類で、鬼も逃げ出すその酸っぱさから邪気を払う「じゃばら」と呼ばれ、地元では食酢として使われていたという。1977年にある村人がたった一本だけになってしまった「じゃばら」を「変なミカンだが独特の味でうまい」と村の特産品にできないかと村議会に働きかけ、1982年に村営農場をが造成されて本格栽培が始まり、1985年初収穫を得た。1999年には村営ブログを立ち上げ農産加工品のネット販売も開始された。しかし特産品化を狙った「じゃばら」は思ったようには売れず、毎年果実がだぶついて2000年には撤退まで考えた。

その頃毎年20キロの大量の「じゃばら」を購入する県外の顧客に村の職員が購入理由を聞くと、「子供の花粉症に効く」との返事が返ってきた。そこで村長は「花粉症対策」をキーワードにして楽天市場での試験的出店を始めた。同時に花粉症に悩む1000人を対象に無料のモニター調査を実施したところ18000人もの応募があり、モニターの46%が症状が緩和されたとの回答を寄せた。「じゃばら」にはビタミンAとC、カロチンなども含まれているが、フラボノイドの一種であるナリルチンが多く含まれており、これが花粉症に効くのではないかと言われている。楽天市場の初月販売は2万円だったが、モニター調査終了後の翌月は55万円まで上がり、2001年の総売り上げは2600万円を計上した。テレビ番組で取り上げられることも増え「じゃばら=花粉症に効果」が浸透し始めた。
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翌2002年ネット販売の予約を開始すると果汁製品は1日半で完売し、2003年は1時間で完売した。総販売金額も2002年が5000万円、2005年は1億7700万円、2006年は2億2200万円と順調に伸び、田舎の小さな村でもネットの力を利用すれば大きなビジネスができることを証明した。村の税収が6000万円であることを考えるると2億はすごい数字だ(収益は約1500万円)。この頃は楽天市場やアマゾンでも発売するとすぐ売り切れることが多く、花粉の時期には家内はいつもPC画面ととにらめっこだった。

たった一本の木から始まった「じゃばら」栽培も現在は9ヘクタール7000本の規模になり、人口たった366人(1980年の790人から半減)の村の15人が管理する村一番の産業となった。建設省出身の村長と三重県から移住したIT責任者の二人の「よそ者」の尽力もあり、かつての「幻の果実」は特産品となり、村の財政を救う「奇跡の果実」と呼ばれ、ふるさと納税品にもなって過疎の北山村の社会的インフラを立て直す起爆剤になったのだ。

3年前に「物価の優等生 - バナナ 鶏卵 牛乳」という記事を投稿したが、この2年で状況は激変してしまった。特に鶏卵は値上がり率第1位で、2018年の卸売価格がキロ180円だったのに対し、2023年4月には350円まで上がった。トウモロコシなどの飼料の値上がりと鳥インフルエンザが影響していたのが大きな理由だが、最近は多少落ち着いて今日現在は250円まで下がってはいる。近所のスーパーの3年前と今日の価格はこんな感じだ。
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卸価格が倍になるから小売価も倍になるのは仕方がない。それでも1953年の卸価格が224円だったことを考えれば鶏卵はまだ物価の優等生であることは確かだろう。ケーキ屋さんとレストランは苦労していると思うけど。

もう一人の優等生であるバナナにも値上げが。バナナは殆どが輸入なので最近の円安で仕入れ値が上がるのは仕方がない。原油高で輸送費も上昇しているし、全体の75%を占めるフィリピン産バナナがコロナ禍で国内での移動制限などの影響で供給量が下がったり、日本国内では在宅勤務や巣ごもり需要でバナナの消費が増え需給バランスが崩れたことも値段が上がった原因と言われる。昨年卸売価格は5割ほど上がったが、最近は南米からの輸入量が増えて価格に落ち着きが見られる。3年前と本日の価格は下記のとおり。
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2割の値上がりは他の果物に比べると許容範囲内かもしれない。昨年6月にはフィリピン大使が「現在のままではフィリンピンのバナナ生産者にとって現実的でもフェアでもない」として全国のスーパーマーケット業界団体に値上げを申し入れるという異例の事態が起きた。毎日スーパーで果物を買うが、輸入物のグレープフルーツやキウイだけでなく国産のフルーツも大型化や高級化で値上げが目立つ。バナナの価格はこの20年ほとんど変化がなかったから大使の気持ちも分からないではない。
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牛乳もこの3年で値段が上がったものの一つだ。近所のスーパーでは大手でない1リットルパックはずっと178円で売られていた(大手は200円ちょい)。しかし牛の飼料の値上がり、それもほとんどが輸入なのでさらに円安によるコスト増(2年前に比べて7割上昇)、牛舎の送風機や牛乳を保管するための電気代の値上がりなどもあり、昨年の11月に続いて今年の8月に再度の値上げに踏み切った。

11月の値上げ以降毎月消費量は5%下がっているが、再度の値上げを決定したのは多くの酪農家の生産コストが出荷価格を上回り赤字経営に陥っているためだ。それに加えコロナ禍で外食需要が低迷し乳製品の消費が落ち込んだため生産者団体は牛乳の生産を3%減産することを酪農家に求めている。このまま減産と需要減が続くと更なる値上げを余儀なくされ一層の牛乳離れが始まることが危惧される。

ちなみに今日スーパーで売られていた3年前178円だった同じ牛乳には42%アップの252円という値札が付いていた。



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会社勤めから引退して16年。専業主夫というか、買い物と夕食調理担当になって16年。毎日買い物に行くがこの数週間の野菜の値上がりがすごい。

最初に気づいたのが三つ葉だった。いつも小さな束が98円で売られていたが、買ってきたらレシートには198円とあった。根っこにスポンジが付いているから水栽培だと思うのだが、天候に影響される露地栽培でない野菜が突然2倍の値段にになっていた。

そのうちキュウリや人参、レタスやキャベツなどの葉物が倍近くに値上がりし、つい最近はそれまで158円から198円で売られていたブロッコリーが398円になり、近所のスーパーでは数日前からブロッコリーの姿は売り場から完全に消えた。ニュースを見ていたら最近の主要産地の北海道での高温でブロッコリーの生育が悪くなり、小さかったり緑色にならないものが増えて市場に出る量が激減し価格が高騰したらしい。
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私は菜食主義者ではないが野菜が大好きで、夕食には必ずサラダを作る。それもトマト、キュウリ、人参、レタス、セロリ、ブロッコリー、カイワレにポテトサラダを加えて少なくとも8種の野菜で、厚労省が推奨する一日350グラムの野菜を夕食だけで摂るようにしている。野菜の購入金額はそれでなくても肉や魚を上まわっているので最近の値上がりは痛い。先日はいつも158円、高くても178円だったほうれん草が新年直前のような価格(298円)で、それも束が小さくなって売られていて驚いた。ほうれん草はすこし安い小松菜で代替もできるが、サラダの素材は代替品が限られる。

ナスも強い日差しで変色したり割れたりして通常198円だったものが298円になった。ネギも不作で価格が上がり、いつもは3本の束で買うのだが最近は1本購入に変えた。人参や大根も猛暑で土の中で溶けるものが増え、それを避けるために早めに収穫をするのでサイズの小さいものが高値で売られている。一本100円くらいで売られていた大根は小ぶりのサイズで300円、人参も細くなって値段は上がっている。
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いつも買い物をするスーパーは価格志向なのでそんなに値段は高くはない。それでもこの値段だ。だからOKストアに行く回数が増えた。でもOKでも野菜はそんなに安くはなっていない。店側も必死なのだろう。高く見えないように内容量を変えている。いつもは3本入りだったキュウリは2本パックに、4個入りだったトマトは2個入りになって、かつ値段は以前と同じだ。トマトなどは毎日食べるので値段が上がっても買わざるを得ない。いつも買っている箱入りで498円だった箱入りのトマト、今日は同じものが980円の値札が付いていた。
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これから鍋の季節になるがこのままの高値が続くと鍋料理も楽しめなくなるかもしれない。今年は地域によっては高温だけでなく夏の大雨で葉物やネギが打撃を受け、米どころでは水不足で米も不作らしい。新潟では通常であれば8割から9割が一等米と評価されるがが、今年は1割くらいしか一等米にならないらしい。地球温暖化や異常気象は今のところ止めようがないので毎年同じことが起きるに違いない。値段も上がり、品質も悪くなる野菜や穀物しか食べられなくなるなんて、食べることしか楽しみがなくなった老人には住みにくい世の中になったものだ、と嘆くしかないのか。


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働いていた飲料会社が事業売却されて解散し50歳で失業し、しばらく無職だった。4か月のハローワーク通いの後、神戸の製薬会社に採用された。ポートアイランド(地元の人はポーアイと呼ぶ)のマンションに住みはじめ、家財道具一式を三宮のダイエーで全て揃えた。到着したテレビの電源を入れた瞬間に衝撃的なCMが飛び込んだ。「551の豚まんがある時 ない時」。知らない女性タレントとおっさんが出ていた。その昔広告代理店に在職して多少は広告にはうるさい。こんな洗練されていない広告が県域U局のサンテレビでなく、関西キー局から流れている。ショックだった。

その後会社の仲間からあの女性タレントが関西では少しは有名な吉本芸人だと聞いた。ボヨヨ~ンのかつみ・さゆりも神戸に来て初めて知った。カルチャーショックを感じた。会社の近所にそごう(現神戸阪急)があり、地下に蓬莱の売店があった。いつも行列ができていて、並んでまで肉まんを買う気にはならなかった。当時は家族が海外にいて単身赴任だったので時々夕食を買うためにそごうには寄っていた。ある日行列が短かったので初めて肉まんを買った。こっちでは豚まんと言わないと通じないと知った。
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家に帰って食べたら、これがまたショックだった。うまい! 味はシンプルで関東の肉まんより薄味だがしっかりしている。またたくまに食べきってしまった。これが関東に来たら横浜の中華街でつぶれる店が出るのではなかろうかと思った。年に数回出張や帰省で東京や横浜に戻る時、新幹線の車両の中にかならず1人は蓬莱の紙袋を持っている人を見かけた。以前は気が付かなかったが関東にもファンが多いのだろう。時々あの匂いが漏れて車内に漂うこともあった。
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もともと蓬莱は終戦直後の1945年に大阪難波で台湾人羅邦強が仲間と開いた蓬莱食堂が起源だ。カレーが売りの人気店だったが復興が進むにつれて客足が減少し、その打開策として開発されたのが豚まんだった。当時神戸で人気のあった豚饅頭を参考に、豚肉と玉ねぎをたっぷり使って大ぶりの饅頭に仕上げた。これを「豚まん」と命名して売り出したら人気が出た。その後1952年に店頭で実演販売を開始するとテイクアウト客が一気に増えた。

ヒットの裏には日本人向けにアレンジした味、ひとつでおなかが膨れる、歩きながら食べられるなどの商品特性もあるが、持ち帰り客に箱代を負担させない、百貨店の地下や主要駅の構内にテイクアウト専門店を展開など羅のアイデアが反映されている。製品ラインを拡げ、商圏も大阪から関西一円に広げて関西人ならだれでも知っている商品に育てあげた。

マーケターとして感心するのは製品の味を担保するため工場から150分以上かかるエリアには出荷しないという選択だ。豚まんは発酵食品なので遠隔地への長時間輸送では発酵の管理ができないことが理由とのこと。横浜中華街の名店が東京に店を出したときに、味が違うと思ったことがある。味の均一性を保証できないのであればやたら拡大するべきではない。エリアに留まっていれば一種の希少性、ありがたみも生まれる。全国展開しかけた崎陽軒が横浜に再集中してブランドを強化したのに似ている。
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しかし有名になれば地方の客から食べたいのリクエストはでる。1994年に蓬莱は全国への通信販売を開始した。チルド技術によって5日間の味の保証が可能になったからだ。その他にも全国のデパートでの実演販売もスタートさせている。我が家の近所の横浜そごうにも年に一回だが出店する。1時間待ちになるが長い行列に並ぶこともある。豚まんの入った白地に赤で「551HORAI」と書かれた手提げ袋を提げて家に帰る時、なんだか妙な達成感と幸せな気分になるのは私だけだろうか。


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家具を見るために元町商店街に出かけた。我が家の家具のほとんどが元町家具だ(本来は横浜家具と呼ぶらしいが我が家では元町家具と呼んでいる)。家内の実家が元町に店を出していたこともあり、嫁入り時に持ってきた家具も元町家具だったし、ライティングビューローや椅子などは家内が子供時代から使っていた数十年物のアンティークだった。松下家具の製品で店の上層階に非売品で展示してあるくらいの椅子だった。傷んだので自分で直して今はこんな感じだ。
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元町に来るのは数年ぶりだ。しかし歩いてすぐ左手にあるはずの松下家具がない。その先にあった籐専門の家具屋もない。右手のユニオン横の地下にあった家具店もない。どうしたのだろうか。元町に6店あった家具店は店頭の巨大な赤椅子で有名なダニエルと1928年創業の手造り家具の松下信平商店だけになってしまった。椅子だけでなくゲートレッグテーブルなども買った老舗の松下家具が閉店したのはショックだった。
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結局松下信平商店に行ったのだが店の人も家具店の閉店が続くと嘆いていた。

家具業界はバブル末期の1991年の2兆7千億円をピークに下がり続け、2000年代初頭には1兆円を切るまで落ち込んだ。その後ニトリやIKEA、無印良品が市場を引っ張り、コロナでで屋内に意識が向いたこともあって2020年には1兆5千億円まで回復した。一見順調そうに見えるが事態は深刻のようだ。

ニトリやIKEA、無印が順調でもそこで売られている家具のほとんどは海外生産だ。彼らは自社工場を持たない家具販売会社だから国内の伝統的家具メーカーへの恩恵はない。技を磨いて作り上げた家具が売れず、ほとんどの家具メーカーは赤字だという。売れているニトリでも家具単体では赤字で、社長は「ベッドで利益が出なくても布団やシーツで利益が出るので十分だ」と話している。本体で利益が出なくてもカートリッジや紙で儲けるコピー機メーカーや替え刃で利を生み出す剃刀メーカーと同じだ。

ニトリやIKEA、無印良品のような総合インテリア販売会社のように周辺商品がある会社はまだよいが、古くからある家具製造や販売専門会社は苦戦を強いられている。元町だけでなくこの近所でもみなとみらいの大塚家具の基幹店舗が今年閉店したし、横浜駅西口にあった大型家具専門店も何年か前にラウンドワンになってしまった。家具製造業はもっと大変で借り入れをしてやっと存続している会社が多いとのこと。職人さんの待遇も平均42歳で年収320万くらいではなりたがる人もいなくなるのではないか。家具メーカーと街の家具屋さんの奮闘を祈るしかない。
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風邪を引いたらしく鼻水が止まらない。家内に風邪薬はないかと聞いたら二種類持っていた。普段はパブロンを飲んでいるはずだが、持っていたのは知らないブランドだった。近所の薬局で勧められたらしい。推奨販売というやつだ。
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別にこの小林薬品の製品がどうのではないが、推奨販売で思い出した。チェーン店やスーパーが無かった頃は推奨販売は一般的だった。近所のよろずやや個人商店に買い物に行くとおばさんがいて、「子供のズック靴を洗いたいんだけど」と聞けば、「だったらこれがいいよ」と勧めてくれた。魚屋や八百屋でもお勧めを聞くと「今日はこれが安くておいしいよ」とよく言われたものだ。

今はスーパーやコンビニで「おしゃれ着洗いにはどの洗剤がお勧めですか」と聞いても店員さんは多分答えられない。その代わりに製品情報を流しているのが広告である。客は入店する前から、今日はセーターを洗うからアクロンを買おうと思って入ってくる。コンビニには約3000種の商品が売られている。店の人が全部の製品を憶えることすら不可能で製品特徴などなおさらである。製品情報はテレビや雑誌から得られていて、これをマーケティングではプリセリング(事前販売)と呼ばれる。

逆の言い方をすると、スーパーやコンビニなどのセルフサービス店はテレビや新聞などのマス広告が一般的になって初めて可能となった業態なのである。マスメディアによるプリセリングなしでは成り立たない。プリセリングがあるので店員さんに聞くことなく棚から製品をピックアップしてカゴに入れられる。もうひとつ必要なものはブランドである。他の製品と棚で区別するために必須である。つまりセルフ店が存在するためには広告とブランドがマストだ。

このような状況の中で推奨販売が残されている数少ない販路が薬局である(他にもワインショップや化粧品店などにも推奨販売が残っている)。素人が製品差を判別しにくい商材を扱うチャネルだ。家内が薬屋で症状を説明し、薬剤師が勧めたものを買ったパターンですね。薬屋に行って症状を伝えると多くの場合トップブランドでないものを勧められる。これはほとんど成分が同じだが小売店がマージンが大きいものを売りたがるためだ。利益額が倍くらい違うこともある。かつて医薬品や化粧品が定価で売られていた再販価格対象品のときはもっとえげつなかった。

大手のメーカーは推奨されるようなインセンティブを付けたり、推奨が期待できない場合は(マージンが薄い)指名買いを増やすために広告を用いる。昔担当していたコンタックやバファリンは指名買い率が70%くらいだった。これも一種のプリセリングなのだが、薬局で「バファリンください」というと「ほぼ同じ成分で値段の安いのがありますがどうします?」とバッサミンとかバッサリンを勧められることが時々あった。なんだかパッケージも似ていたなあ。
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コロナが流行し始めてから外出はめっきり減った。近くのスーパーに毎日食料を買いに行くのと月に一回のゴルフと床屋だけになった。その前から外食は多くはないのだけれど、コロナ禍の2年半で合計数回に激減した。一番苦労しているのは外食産業と分かってはいるが、感染を危惧して外で食事をすることを控えるようになった。
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発生以来のコロナ関連倒産企業数は9月時点で4000件を超え、その中で飲食店が最も多い。2020年秋から始まったGo to Eat神奈川版の第一弾の中心は12500円分が10000円で買える食事券で、2022年の第二弾はそれが12000円分になった。魅力的と言われればそうかも知れないが、ほとんど外食をしない老人には使いきれないと感じた。

そんな時にいつものスーパーで買い物をしペイペイで払ったら、なじみの店員さんに「かなペイ使ってないの?」と聞かれた。20%還元ですごく貯まるとのこと。帰ってさっそくダウンロードした。かながわペイ、略してかなペイは新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した事業で、大型店での買い物や飲食が10%、中小型店では20%のポイントが還元される。ペイペイは基本的に0.5%還元だし、楽天カード決済は1%だからこの20%還元はとてつもなく大きい(世田谷ペイの30%還元には及ばないが)。使い始めてちょうど20日だが既に7400ポイント(1ポイント=1円)貯まった。
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ダウンロード数が150万ということは県民の6人に1人の割合だし、第一弾は70億円分のポイント還元をして終わった。第二弾は予算規模を50億に縮小して進行中で、このペースで行けば普通に食品や日用品の購入で11月末までに上限の3万ポイントは達成できるかもしれない。年金生活者にこの3万は大きいが、予算を使い切って11月末日前に終了してしまう可能性があることがちょっと気がかり。それとペイペイなどと比べると精算時の画面タップ数が多く、時間がかかることがネックです。レジがすいている時間に使うのがお勧めです。



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先月の17日から一週間崎陽軒のシウマイ弁当からマグロが消え、かわりに鮭の塩焼きが入った。具材の変更は59年ぶりだという。変更の理由は、「新型コロナの感染拡大による世界的なサプライチェーンの混乱などの影響で原材料のマグロの必要数量を確保することが難しくなったため」、と発表された。当日朝から売店には人が並び、20~30分で売り切れる店が続出した。その後も数個単位で入荷するたびに即売り切れのようだった。
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テレビの報道などではマグロの入荷数量が減ったことで値段が上がり買い負けたのが理由だと説明があった。本当にそうだろうか、とへそ曲がりの老人は思った。その期間中も、それに先立つ数週間もスーパーや魚屋ではマグロが並んでいたし、近所の中央卸売市場にもマグロは並んでいた。毎日のように市場の様子をアップしている市場の理事のFBにも、品薄と円安でじわり値上げ、の表現はあったがマグロはいつものように鎮座していた。

買い負けた?本当にそうなら何故一週間だけなのか。円安もマグロの値段も一週間では元に戻らないだろう。状況は同じなのに、何か腑に落ちない。一週間後に値段の上がったマグロを手当てできるんだったらその前の週でも可能だろう。それが企業の責任じゃないのか。ましてハマのソウルフードとまで言われているシウマイ弁当ですよ。そこで思った。一時的にでも売り上げを増やすせこい便法ではないかと。たった一週間のためにパッケージを変えるだろうか(下記参照)。急にマグロの確保が難しくなったにしては手際が良すぎる。
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推測するに、これはこの5月に就任した新社長のアイデアではなかろうか。なにか斬新なことをして社内外の注目を集めたい、と思ったとしても不思議ではない。崎陽軒四代目社長は40才の若さで、かつ先代の父親と比べるといかにも心もとない。5年前のNHKの「覆面リサーチ ボス潜入」という番組で、当時専務だった新社長が変装して社内の問題点を覆面調査し、改善点を洗い出すという一種のドキュメンタリーだったが、あまりのボンクラぶりに「これが次期社長?崎陽軒危うし!」と思ったのは私だけではないはずだ。

そんなことを考えていたら、シウマイ弁当が来月10月1日から40円値上げで900円になるとのニュースが入ってきた。ひょっとしたら、この値上げを正当化するためにマグロを出しにして原材料の高騰を訴え、一週間だけシャケに切り替え、10日後の値上げ発表の布石にしたのであればボンクラ社長もそれなりに考えているのではなかろうかとは思った。ま、まっとうな方法とは言い難いが。それにしても、シャケの立場がない!



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なんだかモノの値段が上がっている。電気とガスは昨年12月まで4か月連続で値上げされ、横浜市の水道は昨年7月に12%も上がった。牛丼御三家も秋以降並み盛りが10.1%~18.8%上がった。ガソリンも昨年年初に入れたときはは144円だったのが11月には169円、今年に入って170円超という人生最高値を記録した。重宝していた近所のスーパーの米国産300グラムの厚切りステーキ肉は秋に880円から980円になった。11月に食用油がこの年4度目の値上げをし、同時期に雪印のバターは3.4%、マーガリンは3.8%~12.2%も上がった。70年代の狂乱物価を除くと引退後専業主夫を14年やっているが初めて経験する値上げラッシュだ。
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コロナ後の景気回復期待や新興国のエネルギー需要の急増、脱炭素を見越して産油国が減産したことなどが重なり原油価格が上がった。全世界的に物流費が上昇し、輸入に頼っている小麦や大豆は北米からの船賃が10倍近くになり、政府も昨年10月に輸入小麦の売り渡し価格を19%上げざるを得なくなった。スケトウダラなど魚類も資源減と原油の値上がりで価格が高騰している。物流費が上がるということはすべての商品価格が上がることを意味する。流れてきた値上げのニュースは:

1月からパン類の価格が上がった。小麦が上がったせいで各社が値上げをした。最大手の山崎製パンは食パンを平均9%、菓子パンを同6.8%値上げした。フジパンも8%、敷島パン(パスコ)も6.7%引き上げた。毎日食べるものだから家計へのインパクトは結構大きいと思われる。山パンは今年も春のパン祭りをするのだろうか。「ヤマザキ春の値上げ祭り!」と改名すると面白いんだけどね。
近所のスーパーではパスコの超熟が198円から208円に上がる一方ヤマザキのロイヤルブレッドは150円で据え置いた。当然のことだがヤマザキの棚から先に消えていく。消費税込みで62円の差は大きい。2022-01-04 (2)
コーヒーも1月に値上げされた。ネスレが南米の霜害による生豆の高騰や円安を理由に10%~20%価格を上げた。UCCやキーコーヒー、AGFも昨秋約20%の値上げをしているのでレギュラーコーヒーを含めたほぼ全製品が約2割の値上げとなった。前年から続く天候異変と円安が継続されるとさらなる値上げも予想されコーヒー飲みには心配の種が増えた。

小麦粉を使う製品はパンだけではない。小麦粉そのものも1月に1.5%~9.5%の再値上げがあり、それを受けてパスタやうどんの価格改定が予定されている。丸亀製麺は1月に一部商品を20円~30円値上げしたし、パスタは2月に1.5%~9%の値上げが予定されている。その他にもスナック菓子(7~10%)、生めん(6~13%)、小麦関連以外でもハム・ソーセージ(4~14%)、冷凍食品(2~23%)、ジャム(3~7%)、しょうゆ(4~10%)、マヨネーズ(2~10%)、すり身・練り物(4~13%)などこの春に値上げを予定している製品群は枚挙にいとまがない。もう価格据え置き容量減のステルス値上げではしのげる状況にはないのだろう。

食品以外で最近発表されたのは紙製品の値上げだ。これも原材料と輸送費が原因で日本製紙クレシア(クリネックスやスコッティの発売元)は4月から10%以上の値上げをするという。すでに大王製紙は3月22日からの15%以上の値上げを発表済みだ。ティッシュやキッチンペーパーをやたら使う我が家にとってはかなりインパクトは大きい。

私が知る限り春の値上げ幅が一番大きいのは食品ではないけれど、LIXILのユニットバスの約40%とトイレの33%でビックリ。原材料価格の高騰とコンテナ不足による輸送費の上昇が原因とのこと。サントリーはウィスキー31銘柄の4月入荷分以降の値上げを発表している。こちらは原材料や輸送費の問題というよりシングルモルトの人気で品薄がその理由らしい。古いものほど値上げ幅が大きく白州25年が28%、山崎12年ミニボトルが21%と結構な値上げだ。
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これらすべての値上げが家計にどのくらいのインパクトを及ぼすか我が家の家計簿をもとに試算してみると約2%の負担増だ。今年4月からは物価を下方に押し下げていた携帯電話の値下げインパクトが消えるので2%以上の物価上昇は確かだと思われる。これで来年政府と日銀が「2%の物価目標達成!デフレ脱却だ!」だなんて喜んだら国民はみな怒るよ。成長も分配もできてないんだから。



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日本は長い間デフレから脱却できていない。スーパーにはいつまでもこの値段で生産者は大丈夫だろうかと思える商品がいくつかある。例えばバナナ。今日は138円だが特売日には100円で売られている。子供のころバナナは高級品でめったに食べられなかった。もっぱら病気見舞いやお祝いに使われていた。記憶では当時1本50円位だった(今の1000円位か)。小学校の遠足はおやつ代100円までというルールがあってバナナを一本入れると残りは50円分しか残らず、その50円でキャラメルやチューブ入りチョコレートを買ってもらった。高価だった理由は戦後の日本は外貨が不足していて「不要不急」のバナナへの割り当てが少なく輸入制限措置がとられたためで、1963年に輸入が自由化されるとそれまでの台湾バナナからフィリピンバナナが大量に出回るようになり値段も急落した。今日のバナナは4本で138円だから一本35円で60年前より安い。
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 卵も値段が変わらない商品のひとつだ。「物価の優等生」でググると卵とバナナは必ず出てくる。昨年末から各地で鳥インフルエンザ騒ぎがあり今週も千葉で発生して県の三分の一の鳥が殺処分されたが価格が上がる気配はない。バナナ同様この60年間価格はほとんど変化していない。逆に1キロ当たりの値段は1953年に224円だったが2005年に204円、2018年に180円と下降傾向だ。子供のころ近所の電気屋が自宅で飼っている鶏の卵を店で売っていて、料理中の母親が「あ、卵がない。小林さんちに行って買ってきて」と時々買い物に行かされた。一つ10円だった。スーパーの卵が13円だから小売価格はほぼ変動していない。
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牛乳も優等生の一人かもしれない。スーパーでは1リットルパックが200円台で売られ大手でなければ170円台で買うことができる。この30年間で20%も上がっていない。それ以前になると180㏄瓶の宅配が中心だったので比較が困難だが、中身だけで考えればリッター200円とすると180㏄換算で36円となり50年近く前の昭和48年と同等だ。瓶牛乳の宅配は今でもあり明治の「おいしい牛乳」はひと月3700円~4200円とのことなのでひと瓶135円になり、人件費の上昇もあって50年前と比べるとさすがに数倍の値上がりとなっている。(下記朝日新聞社「値段の明治大正昭和風俗史」より)IMG_4196 (2)
14年も専業主夫をしていると毎日スーパーでの価格に敏感になる。年金生活者には値上げは困るのだがメーカーで働いていた人間からするとずっと値段が上がらないのも困りものだ。何かが、誰かが犠牲になっている可能性があるから。バナナ、鶏卵、牛乳以外にも豆腐や納豆のように値上げがほとんど見られない商品は多い。スーパーの客引き目玉商材になることが多く値引きを要求されることもあるのだろう。しかしこのままだと鶏卵業界は危ないという人もいるし、数年前には激減している豆腐屋を守るために「豆腐は200円以下で売るな」と警鐘を鳴らした評論家もいた。これらの商品は栄養価の高いスーパーフード商品なので子供を持つ母親や高齢者の必需品でもある。店頭には倍以上の値段のブランド卵やバナナ、豆腐もある。自分にできるのは何回かに一度でもいいからそれらの製品を購入し、こういう消費者もいるんだと店やメーカーに知らせることくらいしかない。頑張れ ! 鶏卵、牛乳、豆腐の製造者さん。



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今日みなとみらいのOKストアに買い物に行った。コロナウイルスがさらに広がって外出するのが憚られる前にローリングストックのミネラルウォーターと冷凍食品などの非常食を仕入れに行ったのだが、入口付近に長い行列が。マスクが入荷したらしく100人近い人が並んでいる。
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子供を持っている人は登校にマスクは必需品だから大変だなあと思いながら隣のブロックへティッシュペーパーを買おうと思って向かったらいつもと様子が異なる。トイレットペーパーやティッシュが何間もの棚スペースに並んでいるはずなのに一つもない。傍らには店から依頼されて製品を運んできたらしい製紙メーカーの人らしき二人が呆然と立っている。
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この景色はいつか見たものと同じだ。1973年のオイルショック時に品切れが起きるという噂を信じた人たちがスーパーに買い占めに走り、値段が倍以上になっても長い行列ができた。学生だった私も通常ならば数十円で買えたクリネックスひと箱に(当時は5箱パックなどなかった)200円を払ったことを今でも覚えている。ちなみにクリネックスは1969年の発売で当時は現在の半分の量(2枚重ねの100組で計200枚)で定価は80円だった。
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あの時は中東戦争のせいで原油価格が70%上昇し、当時の内閣が紙を節約するよう呼びかけをしていたし、これから中東の戦争がどうなるか分からなかったので、たしかにパニックではあったが原油高騰による物不足への恐怖が背景にあったと思う。しかし今回の買い占めはメーカーにも在庫は有り、生産も順調で、かつ噂されるような「原材料は中国だのみ」でもなく(ティッシュは98%は国産)品不足になる可能性がほぼ無い。なのにトイレットペーパーやテッシュだけでなくキッチンペーパーや生理用品まで棚から消えている。

今回の騒動が1973年の買い占め騒ぎと一番異なるのは、他のアジア諸国で起きた買い占めが日本に伝染したことだろう。発端は香港で、マスクを増産するため中国本土でトイレットペーパー生産が停止したと噂がたち、買い占めが始まりトイレットペーパー窃盗事件まで起きた。同様なうわさが台湾やシンガポールに広まりスーパーの棚が空になった。そして日本に。わが家の近所のミニスーパーでも二日前くらいから棚が寂しくなり今日は上と同様な案内が貼ってあった。50年近く前の騒動は新聞への投書や流言飛語、いわゆるクチコミが火付けの源だったのに現在ではネットやSNSでの拡散が主で、その特徴は拡散スピードが速い、拡散されるエリアが広いことだ。こういうのもグローバリゼーションと言うのでしょうかね。



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最初はすこし馬鹿にしていたが最近ではペイペイのヘビーユーザーになってしまった。「100億円あげちゃうキャンペーン」など知ってはいたが興味はなかった。きっかけはヤフーのプレミアム会員に振り込まれた1000円の残高付与。登録をし試しにOKストアで使ってみた。意外と簡単でおまけに1.5%の還元もあった。毎日行く近所の食品スーパーが5%のキャッシュレス還元店だったのが決定的だった。基本の1.5%と5%の計6.5%が戻ってくるし、5%+5%の10%還元の期間もあったし、20回に1回の確率で1000円還元も2度ほど当たった。7-11、ザ・ガーデンやトモズでも使えるので現金を使うことがほとんどなくなった。

月数千円の利用は2万、3万に増え、12月には5万を超え食材費の大半をペイペイで払うようになった。還元額も平均で8%強、数千円となる。先月はヤフーショッピングやペイペイモールの「25%還元!」に惹かれてゴルフクラブ等を購入したので利用額は13万になり、まんまと政府のキャッシュレス促進策に乗せられてしまっている。近所のスーパーでも主婦やサラリーマンの半数以上が会計をペイペイで済ませている。食品は消費税が据え置かれているので還元額分だけ家計や小遣いが助かるのが魅力なのだろう。

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問題は5%のキャッシュレス還元が6月末で終了した後ではなかろうか。キャンペーンが派手だっただけに5%還元終了後の魅力度のマイナスが目立つようになるだろう。当然ペイペイには切れ者がいるらしいので客離れが起きないようにイベントを考えるとは思うけど。店側にとっても現在はシステム利用料は無料だが、3年経つと支払いが生じる(2021年9月末まで無料)。多分クレジットカードと同じくらいの利用料になると考えられる。それ以降は扱い店拡大のペースは落ちるだろう。だからこそペイペイは昨年度367億円もの赤字を出しながら積極的に加盟店を増やし(現在185万店)来年10月からの手数料収入で累積損を一掃し黒字化を目論んでいる。派手なキャンペーンも巨大な赤字もソフトバンクとヤフーが親会社だからできることなのでしょう。昔街頭でモデムを無料配布していたのをつい思い出してしまった。昨日の報道では、キャッシュレス決済の草分けながら資金力の乏しいOrigamiは赤字に耐えきれず遂にメルペイに買収されることになってしまった。

メルペイによるOrigamiの買収だけでなく、メルカリはキャッシュレス決済でドコモとの提携を発表し、他社もポイント提携を進めている。ペイペイもLINEとの経営統合を予定している。両社で5000万人(多少の重複はあろうが)の登録者と圧倒的な利用店数で独走し続けるかもしれない。ただ今でもランチタイムのコンビニやスーパーではレジに行列ができ、QRコード決済は会計の待ち時間を長くしている。そのうち利便性と安全性に勝るスピーディな非接触型IC決済がもう一度見直されるような気がする。



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みなとみらいに行ったら、クィーンズスクエアのアメリカンイーグルが閉店セールをしていた。そうだ、2019年末までの全店閉店を発表していたのだった。ユニクロとの競争に敗れたとか言われたが、ユニクロにはない色を使ったシャツやセーターを何度か買ったことがあるので少し残念です。セールは少し前に始まったのか、それとも70%オフが効いたのか店内には商品はほとんど残っていない。いつもはたくさんいる店員さんも数人のみ。
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もともとこのスペースにはユニクロが入っていたのです。そのユニクロに勝てずに撤退とはフランチャイジーとして店舗展開をしてきた青山商事も無念でしょうね。十数年前にブームとなり店舗数が増え続け、日本人の着る衣服の半分はファストファッションだと言われたのに最近は勢いがありません。2年前にはGAP傘下のオールドネイビーが日本市場から撤退し、フォーエバー21も今年9月に破産申請そし10月末で日本撤退。そして今回のアメリカンイーグルの撤退。

現役時代には下着とチノパンくらいしか買わなかったけど、引退してからは結構お世話になっているファストファッション。いまでも時々店に行くけれどH&MやGAPにひところの活気はなく、(ファストファッションとはちょっと違うけど)ライトオンやRIZAP傘下のジーンズメイトの客数も少ない。健闘しているのはZARA、ユニクロとGUくらいでしょうか。しかし近所のユニクロは最近中高年と老人ばかりが目立つ。先週も老夫婦が亭主の衣類を選んでいたが亭主は黙って見ているだけで奥さんがどんどんカゴに入れる。自分のは買わない。きっと他の店でも少し高いものを買ってるんだろうな。
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衣料品市場が停滞しているうえにファストファッションにはいろいろな逆風が吹いている。曰くECマーケットに浸食されている。ファストファッションもECサイトは持っているが出遅れた会社も多い。SPAだから原価率は高くはないだろうが、実店舗を持つと安い小売価格と高騰する人件費がネックのようで家賃の高い都心の一等地店は利益は出ていないのではなかろうか。実店舗での買い物はネットと比べると実物が見られ試着もできるワクワク感が強みなのだが、残念ながらファストファッションのワクワク感は大きくはない。
これはファストファッションのほとんどが数を売るために定番もの(普通の服)が多く色やデザインで冒険したりすることが少ないためでしょう。提案力がない、という批判もあるけれど数を狙うのとの両立は多分不可能です。

最近ではファストファッションはエコでない、短いサイクル故に衣料ごみを増やす、生産国の環境汚染を生んでいる、安い賃金と過酷な労働によって作られている、などの批判も見られます。これらもファストファッション市場停滞の一要因です。安い売価を維持するために労働コストの低い国への生産シフトも顕著です。クロゼットをチェックしたら数年前のものは中国製が圧倒的でフィリピン製が少しあったけど、最近買ったものは圧倒的にバングラデシュ製が多く、ベトナム、マレーシア、インドネシアが続きます。以前カンボジアの衣料品工場の崩落事件があったように3桁価格でジーンズやセーターを売るためには誰かを犠牲にしないと不可能だと思う。「ジーンズ1本が何百円なんてありえない。どこかの工程で誰かが泣いているかもしれないのに、安い服を着ていていいのか。いいものには人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。いいものは高いという価値観も残ってほしい」。10年前のコムデギャルソン川久保玲の言葉です。

年金生活だし出かけることも少なくなったから高い服を買うことはなくなったが、たまには長く着られる良い服を選びたいと思うようにはなりました。さっき自分の服30点くらいのタグを確認したが、スコットランド製のセーター、イタリア製のズボン、ドイツ製のコートはあったが、カジュアルウェアやそこそこの値段のブランドスーツも中国製がほとんどで日本製がなかった。たった一点あった日本製品は三陽商会のコートだけで愕然とした。モノづくり日本は何処へ行ってしまったのだろうか。




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https://www.slideshare.net/Mooming/sales-promotion-153979227


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セールス・プロモ―ションの種類や役割に関する30枚のスライドです。



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ほぼ毎日食料品を買いに出かけますが、スーパーもコンビニも老人ばかりです。特にコンビニの客の老齢化が進行しているらしい。日経のコンビニエンスストア調査によると来店客に占める60歳以上は約20%で6年前の11%と比べるとほぼ倍になる一方、20歳以下は23%から14%に激減している。店に行くと老人ばかりが目立つはずです。

日本フランチャイズチェーン協会のデータから計算すると、全国5万5743店のコンビニの日販平均は47万8000円、一日当たりの客数は772人、一人当たりの購入額は620円となります。
35年くらい前の日経ビジネスにコンビニ5万2000店上限説と言う記事がありました。うろ覚えの要旨は、平均的な客は週に2回コンビニに来店し一回735円の買い物をする。日販50万を確保するためには50万円割る735円で、毎日680人の客が必要とされる。週に2回の来店なので680人x3.5(7日割る2)=2380人の固定顧客が必要となる。当時の日本の総人口割る2380は5万2000なので、これを超えると一店当たり2380人の固定顧客および50万円の日販を維持できないとうのがその根拠でした。当時東京や大阪の中心部では一店当たりの固定顧客が800人台の地域もあり過当競争が始まっており淘汰が始まるだろうと予測されていました。
2023-04-21
予想は外れ既に店数は5万2000を超えていますが、これは宅配便を取り扱うようになったり、ATMを導入したり、公共料金の支払いやデリバリー、コーヒーメーカーを置くようになったコンビニ側の勝利なのでしょう。ただ来店客数は人口減以上の減少傾向にあり、特に若者が減っているので老人頼みが続くとコンビニも曲がり角に直面するのかもしれません。コンビニと同様に2000人以上の固定顧客が必要と思われていた業種にガソリンスタンドと薬局がありました。ガソリンスタンドはは25年前6万店を超えていたのに現在3万店を切っています。消防法の改正や高齢者の免許返納、経営者の高齢化、エコカーの普及もあるのでしょうが若者の車離れも大きな要因でしょう。同じころ3万8千店だった薬局が5万9千店に増加しているのは医薬分業の進行、シニア人口増による医療費の伸長、利益率の高い調剤薬局の増加(特に大手チェーン)、食料品や日用品も扱うドラッグ店の増加(薬局のコンビニ化、生鮮ドラッグ)などが理由として挙げられるでしょうが、伸び率は縮小傾向にありやがて店数は半減すると予測する業界人もいます。

コンビニ業界にも本部への上納金の大きさ、労働力不足による24時間経営の破綻、ECサイトの伸長、後継者問題など不安要素はあるでしょうが、ガソリンスタンドでの消防法や薬局での医薬分業のようにひとつのきっかけで大きく市場が上にも下にも変動する可能性はあります。どちらにせよConvinienceの名の通り便利なコンビニであり続けてほしいなあと老人は思うのです。



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