最近のゴールデンタイムはバラエティ番組だらけだが、昭和時代にはホームドラマが数多く放映されていた。テレビ放送開始後は「うちのママは世界一」や「パパは何でも知っている」などのアメリカの中産階級家庭を舞台にしたホームドラマが多かったが、その後は国産ホームドラマが盛隆となった。
その先駆けとなったのが「パパは何でも知っている」をモデルとした「ママちょっと来て」で1959年から4年間放映された。母親役は乙羽信子で、宝塚のお嬢様女優からしっかり者の母親へ見事に転身し、その後も「肝っ玉母さん(第3シリーズ)」など多くの母親役を演じた。当時は俳優というのは一種特殊な職業で今のように簡単にはなれなかったのと、五社協定があり他の映画会社だけでなくテレビ出演にも制約があったため、映画会社に所属しない宝塚出身者の出番は多かった。乙羽信子以外にも轟夕起子、淡島千景、八千草薫、月丘夢路、有馬稲子、新珠三千代などが宝塚出身でテレビで活躍していた。(左が乙羽信子、右が八千草薫)


当時は多くのホームドラマが制作され、加藤治子、山岡久乃、京塚昌子、森光子は「日本のお母さん」女優と呼ばれていた。加藤治子は「七人の孫」や「寺内貫太郎一家」などでおっとりしているがテキパキと一家を仕切る品の良い母親を演じていた。山岡久乃はしっかり母さん的存在で「みんなで7人」「三男三女婿一匹」が代表作。京塚昌子は「ありがとう」「肝っ玉かあさん」で恰幅が良く割烹着が似合う母親役が記憶に残る。森光子は「時間ですよ」シリーズなどのチャキチャキ母さんが印象深い。(下は加藤治子と山岡久乃)


あの頃は他にも沢村貞子、奈良岡朋子、荒木道子、池内淳子、杉村春子、三宅邦子、賀原夏子などの女優が母親役をよく演じていた。今思うと母親役には加藤治子、三宅邦子、荒木道子、轟夕起子などが演じるおっとり母さんと、森光子、沢村貞子、乙羽信子、奈良岡邦子などのキビキビ母さんの2種類がいた。
また母親の忙しさを強調するためだろうかやたら大家族が多かった。「七人の孫」「マンモス家族」「ただいま11人」「大家族」「三男三女婿一匹」などのタイトルを見るだけで大家族での母親の大変さが想像できる。確かに当時は大家族がまだ多かった時代だ。2025年現在ひと家族の構成人員は2.2人だが、1953年は5.0人だった。子供が5人いる世帯も珍しくはなく「七人の孫」のようにお手伝いさんがいる家庭も結構あった。
今では結婚しない単身者世帯も多く、老人の一人暮らしも激増している。昭和初期のような大家族とあの人間関係は若い人には受けないのだろう。ホームドラマはめっきり少なくなってしまった。それにここに名前を挙げた女優も有馬稲子一人を除いて全員他界してしまった。昭和は遠くなりにけり。
その先駆けとなったのが「パパは何でも知っている」をモデルとした「ママちょっと来て」で1959年から4年間放映された。母親役は乙羽信子で、宝塚のお嬢様女優からしっかり者の母親へ見事に転身し、その後も「肝っ玉母さん(第3シリーズ)」など多くの母親役を演じた。当時は俳優というのは一種特殊な職業で今のように簡単にはなれなかったのと、五社協定があり他の映画会社だけでなくテレビ出演にも制約があったため、映画会社に所属しない宝塚出身者の出番は多かった。乙羽信子以外にも轟夕起子、淡島千景、八千草薫、月丘夢路、有馬稲子、新珠三千代などが宝塚出身でテレビで活躍していた。(左が乙羽信子、右が八千草薫)


当時は多くのホームドラマが制作され、加藤治子、山岡久乃、京塚昌子、森光子は「日本のお母さん」女優と呼ばれていた。加藤治子は「七人の孫」や「寺内貫太郎一家」などでおっとりしているがテキパキと一家を仕切る品の良い母親を演じていた。山岡久乃はしっかり母さん的存在で「みんなで7人」「三男三女婿一匹」が代表作。京塚昌子は「ありがとう」「肝っ玉かあさん」で恰幅が良く割烹着が似合う母親役が記憶に残る。森光子は「時間ですよ」シリーズなどのチャキチャキ母さんが印象深い。(下は加藤治子と山岡久乃)


あの頃は他にも沢村貞子、奈良岡朋子、荒木道子、池内淳子、杉村春子、三宅邦子、賀原夏子などの女優が母親役をよく演じていた。今思うと母親役には加藤治子、三宅邦子、荒木道子、轟夕起子などが演じるおっとり母さんと、森光子、沢村貞子、乙羽信子、奈良岡邦子などのキビキビ母さんの2種類がいた。
また母親の忙しさを強調するためだろうかやたら大家族が多かった。「七人の孫」「マンモス家族」「ただいま11人」「大家族」「三男三女婿一匹」などのタイトルを見るだけで大家族での母親の大変さが想像できる。確かに当時は大家族がまだ多かった時代だ。2025年現在ひと家族の構成人員は2.2人だが、1953年は5.0人だった。子供が5人いる世帯も珍しくはなく「七人の孫」のようにお手伝いさんがいる家庭も結構あった。
今では結婚しない単身者世帯も多く、老人の一人暮らしも激増している。昭和初期のような大家族とあの人間関係は若い人には受けないのだろう。ホームドラマはめっきり少なくなってしまった。それにここに名前を挙げた女優も有馬稲子一人を除いて全員他界してしまった。昭和は遠くなりにけり。















