マーケティング爺のひとりごと

外資系7社でチューインガムから抗癌剤までのマーケティングを生業としていた引退老人です。使えそうなデータや分析、気になった出来事、思い出、日々思うことなどをボケ防止のため綴っています。にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
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カテゴリ: ネーミング

女子ゴルフのテレビ中継を見ていると「XX世代」という言葉が何度も出てくる。1998年生まれの「黄金世代」には小祝さくら、勝みなみ、渋野日向子、畑岡奈紗、原英莉花、大里桃子、河本結、新垣比奈が、2000年生まれの「プラチナ世代」には吉田優利、古江彩佳、西村優菜、安田祐香が、2003年生まれの「ダイヤモンド世代」には竹田麗央、神谷そら、櫻井心那、尾崎彩美悠、桑木志花、川崎春花などがいて皆優勝経験があり、数人は国外の試合でも勝っている。これらの世代以外にも岩井姉妹、西郷真央、笹生優香、山下美夢有など2000年以降生まれの選手が国内外で活躍している。
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今までにも樋口久子、大迫たつ子、涂阿玉岡本綾子などが活躍した時代にも強豪選手はいたが、これだけ同世代で競い合って強くなり世界で戦えるゴルファーが多く輩出された時代はなかった。同年齢で競い合って強くなったのか、たまたま能力の高い選手が同時期に現れたのか分からないが、そんなことを考えていたら学生時代の東京六大学野球を思い出した。

私が大学に入ったのは1968年だった。大学にも授業にも溶け込めずに数か月がたった。することもないので一度くらいは早慶戦でも見ようかと神宮球場に向かった。慶応サイドには応援団やチアガールがいて、グループで応援に来ている学生たち、女子高、幼稚舎の席があり「福沢諭吉ここにあり」など塾歌や若き血以外の聞いたこともない歌を唄っていた。前年に甲子園で活躍し1年からレギュラーになった選手が同じクラスにいてその選手しか知っている選手はいなかった。その後サークルに入ったので仲間と何回か応援に行くことになった。

当時は法政大学の全盛期で法政三羽烏と呼ばれた田淵幸一、山本浩二、富田勝と後年プロで活躍した選手がいたし一年後には長崎慶一も加わった。早稲田には谷沢健一、荒川尭が、明治には星野仙一、高田繁が、慶応にはプロには行かなかったがスラッガー松下勝美、サイドスローの上岡誠二、少し遅れて山下大輔が在籍した。立教と東大の選手は申し訳ないが記憶にない。今思い出してもすごいメンバーとしか言えない。まさに黄金世代だった。安い学生チケットで外野の芝生席で見た光景は60年近く経ってもいまだに記憶に残っている。JLPGAの黄金世代も素晴らしいが、学生野球の「黄金世代」も光り輝いていた、今じゃみんな恰幅の良い爺さんになってしまったけど。スクリーンショット (13)

どんな種類の製品でもブランド名はマーケティングの重要なファクターだ。ブランドイメージ形成の中心的存在であり、競合製品と差別化する手段でもある。医薬品の場合はその性格上効能効果がありそうな名前が要求される。ただ医療用医薬品の場合は製品名の混同による投薬ミスを最小限に抑えるために安全策が講じられ規制も多い。おまけにこの業界は歴史的にブランドより成分名で製品を訴求してきた過去を持つ。

子供のころよく聞いたペニシリン、ストレプトマイシン、バンコマイシンなどの抗生物質は物質名でありブランド名ではない。医療用医薬品でブランド名が前面に出たのは、切らずに胃潰瘍を治す画期的な薬剤だったシメチジンのスミスクライン社のブランド名である「タガメット」ではなかっただろうか。
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その点OTC薬品は医療用ほど規制もなくネーミングもかなり自由に決められる。それでも効能効果や有効成分にこだわることが多い。たとえばJ&J社が開発したTylenol(タイレノール)という名前は成分であるアセトアミノフェンの化学名N-acetyl-para-aminophenolから取られているが、知っているユーザーはほとんどいないだろうし、気にする人もいない。
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世界で最も多く服用されている医薬品と言われるアスピリンはアセチルサリチル酸製剤のバイエル社の登録商標だが、これはアセチル基の「ア」とサリチル酸がスピル酸とも呼ばれていてその「スピル」を結合させてアスピリンと名付けられた。

同じアセチルサリチル酸を主成分とするバファリンはバイエルの商標であるアスピリンを名乗ることができない。しかしアセチルサリチル酸が胃を荒らすのでダイバッファーという緩衝材を加えて胃粘膜を保護する処方を開発した。それを英語ではBuffered Aspirinと呼び、縮めてBufferinのブランド名が誕生したのだ。
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同じ鎮痛薬であるエキセドリンはそのアセチルサリチル酸(アスピリン)とタイレノールの主成分であるアセトアミノフェンとの合剤である。強い痛みに速く効くことを訴求して、Exceed Aspirin(アスピリンを凌駕する)の製品コンセプトを作り、それを簡略化してExcedrinと名付けられた。

医薬品は世界中で売られることが多いのでこういう成分がらみの英語ネーミングが多いのかもしれない。同じ鎮痛剤でも即効性を謳う国産の「ケロリン」や「ジキニン」は日本人には効能効果が分かりやすいが、日本人以外には?でしょうね。

現役で働いている時は夜寝る前に風呂に入った。疲れをとってぐっすり眠り次の日に備えるためだった。引退してからは朝起きたらすぐ風呂に入る。肉体的に疲れることもほぼなくなったので、一日を気持ちよくスタートするためへと入浴の目的が変わったためだ。朝湯の効用は目が覚めて「さあ新しい一日が始まるぞ」の気分になることと朝食がおいしく感じることだ。

時間に追いかけられないから長湯もできる。今はエプソムソルトを使っていて指示通り20分くらい湯船につかる。エプソムソルトはソルトとあるが塩ではなく硫酸マグネシウムなので風呂や配管を傷めることもなく、湯冷めしにくく肌にも良いと知り合いのインスタグラムで知って使い始めてもう数年になる。ただ色がなく透明なので沐浴剤を加えて温泉ぽくしている。色があるだけで、それもにごり湯なのでちょっとした温泉気分になる。
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沐浴剤はいろいろ試したが今は「日本の名湯」と「いい湯旅立ち」の二種類。どちらもにごり湯でちょっと割高だがいろんな種類が試せる個包装品を使っている。全部で20種類以上あり、それぞれ色も異なる。毎朝今日はどの色にしようかと迷うのも楽しみのひとつだ。

「日本の名湯」はツムラからMBOで生まれた(株)バスクリンの製品で、温泉地と共同開発し湯質や香りを再現とまではいかないが表現しようとした1986年誕生のロングセラーだ。乳白色の登別カルルスと乳頭がお気に入り。「いい湯旅立ち」は2014年に倒産した白元を引き受けたアース製薬が作った白元アース(株)の製品で、同じくアース製薬を親会社とする(株)バスクリンとは兄弟会社だ。こちらは各地の温泉の名を冠してはいるが再現性はほぼ無い。ただ色は斬新で美しい。

以前は両ブランドともボトルで買っていたが、数種づつ買うと置き場所に困るし同じ製品のローテーションになって飽きるので今の個包装品に変えた。毎日風呂の色が違うのは結構たのしいですよ。こんな感じの色です。
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三島食品の「ゆかり」は我が家の常備品のひとつだ。ふりかけだけれどおにぎりにも使えるし結構重宝している。その割には知らないことが多い。三島って言うから静岡かと思ったら広島の会社だった。ゆかりに三姉妹がいることも知らなかった。さっそく近所の店で「あかり」は見つけたが「かおり」は不在だった。その代わり「うめこ」を手に入れた。パッケージの裏面に「ゆかり誕生50年」とあるように「ゆかり」は1970年発売の長女で、1984年生まれの「かおり」が次女、2010年に発売された「あかり」が三女という感じだ。「うめこ」は昨年生まれたばかりの乳児かな。IMG_4185 (2)
新製品の「うめこ」は「ゆかり」の50周年記念商品の「減塩ゆかり」の発売と重なってしまいネットでは不運なうめこの物語として語られたらしい。しかし長女や次女と比べて中身や味を想像しやすいネーミング、乾燥梅干しのような味と大きめの素材で口さみしい時のちょっとしたおやつにもなる利点がが受けてか予想以上に売れているようだ。この2月1日には初めて男の名前の「ひろし」が発売になると先月発表があった。地元の広島菜を使ったふりかけとのことだが、近所のスーパーではまだ取り扱いがない。

どうも三島食品は製品にまつわるストーリーを作ったりそれをメディアで流す術に長けているようだ。競合と目される丸美屋の「のりたま」や永谷園の「おとなのふりかけ」と比べるとマスメディア広告量が少ないのでアイデアで勝負をしなくてはならないのだろう。例えば「ゆかり」と比べると知名度が低い「かおり」と「あかり」を三姉妹と位置づけ、パッケージも統一感を出せるように修正した。するとふりかけ三姉妹としてSNSで取り上げられるようになり、三品を並べて展示する販売店も増えたとのこと。その後エースコックや飲料メーカーとのコラボ商品を開発・販売しメディア露出が増えた。そこに「うめこ」が加わり四姉妹となり、今度は「ひろし」だ。「うめこ」発売時にはなぜ三姉妹のように「り」で終わる名前でないのだ、「ひろし」発表時はなぜ男なのだ、兄弟なのか「ゆかり」の恋人なのかと話題になった。

多分インフルエンサーを使っているとは思うのだが、次々と話題を提供する姿勢はすごい。「ひろし」も勝手に広島菜大使を名乗るなどメディアに引っ掛かる手を打っている。
ただ現在は巣籠需要で販売は伸びているようだが、白米の消費は減少傾向だし、競合は強力だし、横展開(フレーバー・エクステンション)にも限界はあろう。現在「ゆかり」だけでも14SKUあり、その他のふりかけや混ぜごはんの素を含めると売り上げ規模の割に製品数が多すぎる。成長を維持するためにはSKUを整理し、「あかり」で推進しているようなパスタやピザなどの非米飯使用や、お茶漬け市場などへの更なる浸透が必要かもしれない。



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