マーケティング爺のひとりごと

外資系7社でチューインガムから抗癌剤までのマーケティングを生業としていた引退老人です。使えそうなデータや分析、気になった出来事、思い出、日々思うことなどをボケ防止のため綴っています。にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
にほんブログ村

カテゴリ: 料理

博報堂生活総合研究所が調理寿命・調理定年は何歳なのかということをネット調査(24年3月 n=1500)に基づいて紹介している。これは仕事に定年があるように、ある年齢に達したら手作り料理主義を放棄しても良いのではないかという評論家の樋口恵子氏の提唱をベースにした調査らしい。氏の説は歳をとったら市販の総菜、レトルト、テイクアウト、外食を活用して楽をしようという考えで、女性を中心に支持が集まっているとのことだ。わが家でも私の定年退職と同時に家内が料理を卒業し、そのかわり私が17年間料理担当となっている。

博報堂によると調理寿命・調理定年には二種類あり、ひとつは料理をする気力がなくなる「ココロの調理寿命」、もうひとつが料理をするのが体力的にきつくなる「カラダの調理寿命」だという。確かに歳ともに食欲が落ち、料理をする気が起きない日が増えるし、重い鍋や鉄フライパンを振る元気がない日も多くなる。調査データによると作る気力が失せるのが全体では56歳(女性は57歳)、体力的に駄目になるのが63歳(女性は65歳)らしい。ということは、うちの家内も私の定年の少し前ににプッツンしていたということかもしれない。
zu_01

このデータで面白いのは、食べるのにも寿命・定年があるのではないかという発想だ。確かに歳をとると食べる量が減るだけでなく、脂っこいものを敬遠するようになるし、淡泊な和食に回帰する老人も多い。調査によると平均では44歳で若いころより食が細くなり大盛を頼むことができなくなる。いくらおいしい店でも行列までしてラーメンを食べようとは思わなくなるのが45歳。そこまでしてうまいものを食べようという意欲が失せるのですね。ガツガツ食べていた好きな焼肉が胃に重たく感じられるようになって控えるようになるのが50歳から51歳としている。
zu_02
これはなんだかわかる気がする。すでに大盛を頼んだり、店の前で並ぶようなことをしなくなって20年は経っている。夕食でもご飯のお替りをすることはもうない。ただ脂っこいものは相変わらず好きで、焼肉、ロースかつや鰻、揚げ物はローテーションに含まれている。今日も夕食用に海老フライを揚げた。健康のことを考えるとさすがに昔のように量は食べられないけど。

最近は高齢者の一人暮らしが多いし、食材の値上がりが激しいので、一人で調理するよりテイクアウトしたりUberで頼んだり、中食したり、市販の総菜を買う方が食品ロスも少なくて効率的なこともあるらしい。夕方のデパ地下やスーパーの弁当や総菜売り場では値下げシールが貼られるのを待っている高齢者や外人さんをよく見かける。調理寿命は年齢だけでなく孤食が増えていることも影響しているのだろう。博報堂の国際比較データでも「食事を買う」「一人で食べる」は8カ国中日本が1位だった。

専業主夫の手抜き料理(4)

肉を食べたくなってもおいしい肉は一般的に高価だ。そんな時はひき肉を買ってくる。ハンバーグでもよいが時には少し目先を変えたい。この二品は50年くらい我が家の定番メニューだ。出典は飯田深雪の「西洋料理」で、出版されたのが1970年だから50年以上前のレシピだ。結婚したあと家内は東中野の飯田深雪料理教室に通い始めた。金がない頃だったからひき肉料理はよく出てきた。
13232983_1077706702296148_6962585473081359195_n
基本的にこの二品は手順がよく似ている。カレー粉が入るか入らないかが大きな違いだ。まずみじん切りにした玉ねぎをバターかサラダオイルで色がつくまで炒め、次にひき肉を加えて色が変わるまで炒める。カリーの時は肉の前にみじん切りしたピーマンを、ボロネーズの時は玉ねぎと一緒にニンニクも加える。その後カレー粉、水で戻した干しブドウ、トマトジュースなどで煮込めばドライカリーに、スライスしたマッシュルーム、人参、赤ワインとトマトジュースで煮込めばボロネーズになる。
94881865_2968161603250639_9039796952711036928_n
ひき肉はボロネーズの時は合いびき肉、カリーの時は豚ひき肉。この辺りは外交官夫人としてアメリカ、ヨーロッパ、インドなどで暮らした飯田深雪らしい。大昔銀座のインド航空の2階のレストランアジョカでビーフカレーを頼んだら「宗教上の理由でビーフカレーはお出しできません」と言われたことを思い出した。

戦後帰国して料理とアートフラワーの教室を開いたが、料理も造花も手に入る材料で作るなど苦労があったらしい。このテキスト本にも「マッシュルームがなければ生シイタケでも可などの表現があって時代を感じさせる。
13254082_1077706645629487_5565357900857384626_n
引退して専業主夫になりこれらのメニューを引き継いで私が作るようになって15年。だんだん手馴れてきた。以前ホームパーティを開いていたころはこの二品や手製のラーメンを〆に出したら好評だった。つい先日も「あの時のドライカリーのレシピが欲しい」と言われて送ったばかりだ。

NHKの「今日の料理」で全国区になり、アートフラワーでも名を挙げた飯田深雪は103歳まで生き、132冊もの著作を著わしたあと2007年に没した。これを書くために飯田深雪スタジオのHPを検索したが、アートフラワーの授業や展覧会は現在も続いているが、料理教室は娘の代で閉じてしまったようで残念でならない。

マーケティング・経営ランキング
ランキング参加中です。クリックしていただけると励みになります。

専業主夫の手抜き料理 (3)

ときどき無性に食べたくなるのがきしめんだ。しかし近所できしめんを出す店はない。仕方がないので自分で作ることになる。めんは近所のスーパーで手に入るので、あとは昔名古屋に住んでいた時に食べた豊月のきしめんや名鉄新名古屋駅のきしめんを思い出しながら作る。あの頃のきしめんは20円だった。たしかジャムパンが10円だったのでパン二つよりきしめんの方が満足度が高かった。
17098207_1331912860208863_6007796673925797675_n
具はホウレン草、ネギ、ゆで卵、甘じょっぱく煮た油揚げ、削り節。昔はこんなもんだったと記憶している。当時の新名古屋駅の売店(住よしではない)のきしめんもゆで卵はなかったが油揚げとホウレン草は乗っていた。なのに新幹線名古屋駅ホームの住よしの一番シンプルなきしめんはこんな感じだ。
20180608113841
一番安いのを頼んでいるから仕方ないかもしれないが、ホウレン草がない!。もうこれだけでガッカリする。スープも出汁はきいているが昔はもっと色が濃く醤油感が強かった。麺もかつてのざらざらした感じではなくツルっとしてなめらか感がある。ま、品がよくなったと言うこともできるが。

きしめんは「ひもかわ」が起源だとか、名古屋城建設の際に大工達が食べるために生まれたという説もある。忙しい大工のために平麺なら茹で時間が短かくて済むとか、当時のうどんは固くて噛むのが大変だったが平たいきしめんは咀嚼するのが楽だったのが発生の理由と言われる。とすると現代のサラリーマンが新幹線のホームでの乗り換え時に短時間で食べられ、かつ消化にも良さそうなきしめんは理にかなっているのかもしれない。

ただ時々失望するのは、下の写真のような駅ホームのきしめんの見栄えの悪さだ。混雑時のおばさんが忙しいのは分かるが、もうちょっと見た目も考えてほしい。緑がちょっとでもあればね。見た目は食欲にも影響するんだから。 
13305192_1087345454665606_1180179145865597003_o



マーケティング・経営ランキング
ランキング参加中です。クリックしていただけると励みになります。

専業主夫の手抜き料理 (2)

老人こそタンパク質を摂らねばと夕食は肉か魚にするのだけれど、肉はともかく魚料理のレパートリーが少なくワンパターン化してくるのでで苦労している。魚をさばけないし一尾買っても老夫婦には手に余ることもあるので結局切り身になってしまう。調理済みの魚の宅配コースに入ったのだけれど、数か月で飽きた。便利なのだが煮魚の味付けがいつも同じで代わり映えしないのと、焼き魚は冷凍を解凍してオーブンであぶってもとあのパリッとした食感はない。仕方がないのでまた切り身に戻る。
273765589_4887846607948786_3127732016792056034_n
今日はブリの切り身。今は養殖があるのでいつでも手に入る。
いつだったかBSフジの植野食堂で見た大崎魚玉のぶりの照焼きにトライする。塩を振って水気を取り醤油とみりんにつけるのはいつもと同じ手順。焼くのもいつも通り。上から焼くサラマンダーがないので我が家はフライパンで。最後の仕上げはうなぎの蒲焼きのタレ。こってりしていていつものより美味しい。蒲焼のタレも効いたのだろうが、やっぱりスーパーの切り身ではなく魚屋で厚く切ったの手に入れるのが一番と気づく。素材なんだね、和食は。はい、典型的な高齢者の夕食でした。おしまい。


70歳代ランキング
ランキング参加中です。クリックしていただけると励みになります。

専業主夫の手抜き料理 (1)

専業主夫を長くやっていると手抜き料理が増えます。でもレトルトばかりでは飽きるので、先日はタンドリチキンを作りました。と言っても、タンドリパウダーにヨーグルトとレモンを混ぜ、一晩寝かせてオーブンで焼くだけですが…
24899914_1591086877624792_1871578183617087491_n
簡単でおいしいのですがレストランで出されるタンドリチキンとは微妙に違う。どうも段取りを間違えたらしい。ということで、これはタンドリチキンではなくダンドリチキンと名付けました。
24862483_1591086974291449_4024126557911125005_n

70歳代ランキング
ランキング参加中です。クリックしていただけると励みになります。

↑このページのトップヘ