
最初に東急ストアにタカキベーカリーの石窯フランスパンがあることを思い出した。広島のパンメーカーでデニッシュペストリーで知られる。デンマーク女王が来日した時に広島工場を見学され、東京の記者たちが「なぜ広島に」と驚いた話は有名だ。アンデルセンやリトルマーメイドという店名のほうが分かりやすいかもしれない。ここのパンはリーズナブルな値段で美味しい。近所のそごうの地下にもアンデルセンがあるが石窯パンは置いていない。
値段も加味して選ぶならオーケーストア。ちょっと大味な感じはするがフランスパンは1本168円だし、ミニクロワッサンは5個で150円だ。ここはパンもピザも価格を考えれば大満足。ランチタイムにはピザを買うサラリーマンで一杯だ。一番安いのは4分の1カットが129円。2枚食べるとちゃんとした昼食になる。クロワッサンもバターリッチでほかの店の大一個300円の半額だから毎日のパンにはもってこい。ピカールのフランス直送の冷凍クロワッサンは1個約120円でおいしいが、オーブンを温めて20分強焼いてクリスピーになるまで待つと30分はかかってしまう。忙しい朝にはちょっと不向きかもしれない。
結局よく買うのは地元横浜のポンパドウルに落ち着く。ここも値段は高い。1969年の創業当時から他店の菓子パン15円に対し50円の値付けで高級・高品質を訴求して差別化してきたからだ。元町本店は宮殿風の店構えと赤い買い物袋といつでも焼き立て(一日に8回焼く)が売り物だったが、ポリ袋有料化以降はあの赤い袋がなくて寂しい。製品開発に熱心で毎月12日には新製品が発売されるし、今月3月は1日と12日の2回も新製品が出る。いずれも400円前後とちょっとお高いけど。毎年新年には干支にちなんだパンを作るという遊び心もある。下の写真は酉年の干支パン、「おいしさトリプル」のダジャレ付きだった。

こんな努力が実を結んでいるのだろう。創業から56年を迎えても客を飽きさせず惹きつけている。先日も元町に行ったら店の前は人で一杯だった。店内には焼きたてを強調する「一店舗一工房」のパネルが誇らしげに掲げられている。店も手を加えてモダンになっている。宮殿風とはいかないが窓や開口部を大きくして商品を見やすくし店内へ誘導するのを容易にしている。その下の1969年の創業時の写真と比べると違いが分かりますね。





















