子供のころから広告が好きだった (24)

マーブル マーブル マーブル マーブル マーブルチョコレート
七色揃ったかわいいチョコレート
コロコロ並んだおしゃれなチョコレート
マーブル マーブル マーブル マーブル マーブルチョコレート
素敵な明治のマーブルチョコレート

1962年日本中でこのCMソングが流れていた。ヴィックスドロップ以来の集中テレビスポットキャンペーンだった。出演していた上原ゆかりの愛くるしい顔が毎日テレビに現れた。あっという間に明治製菓のマーブルチョコの認知率が上がり、30円の製品が月に5億円を売り上げるようになり、当時の最も売れた菓子製品となった。同様な輸入品はすでに存在していたが(M&M's)一般消費者の目に届くところにはなかった。チョコレートといえば板チョコと歯磨きのようなチューブ入りしか知らなかった子供には円筒型のパッケージは衝撃的だった。
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パッケージを振るとジャラジャラと音がするし、蓋を開けるとポンと鳴ることも子供の心をひきつけ、おまけについていた鉄腕アトムのシールなどがさらに購入意欲を掻き立てた。食べ終わった容器を上原ゆかりが「なくなっちゃった つまんない」と言いながらポンと投げ捨てるバージョンには、子供がまねをして困るのでゴミ箱に入れるものに変えてくれ、という母親からのクレームが殺到したらしいがマーブルチョコの勢いは止まらなかった。

当然競合品は出現する。一年後に森永製菓はパレードチョコレートを発売し「三ばか大将」の動くバッジをおまけにつけマーブルチョコを追撃した。鉄腕アトムvs三ばか大将の戦いは一時は森永が優勢だったがいつのまにかパレードチョコは市場から消えたしまった。現在チョコレート売り場に残っている糖衣がけチョコは実質的にはマーブルチョコと1987年に日本発売が開始された本家マースジャパンのM&M'sのニ製品くらいだ。
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M&M'sは小袋入りで色がマーブルチョコより鮮やかだった。この製品も大量のテレビ広告に援護されて発売され、世界中で使われていたキャッチフレーズの「Melts in your mouth, not in your hands」(お口で溶けて 手で溶けない)」を前面に出していた。ただ最近のパッケージ表面にはこのフレーズはなく、裏面に小さく「お口でとろけて 手にとけない」と書いてあり、表面には「手につきにくい」とだけ表示されている。マーブルチョコが筒形状のパッケージと七色揃ったかわいいチョコレートで売ったのに対し、M&M'sが「お口で溶けて手で溶けない」の消費者ベネフィットで市場を創ったのは日米のマーケティングの違いを見るようで興味深い。

60年前にCMデビューした上原ゆかりは60年代には子役として映画やドラマに出演し、その後も芸能界で活躍したが結婚を機に引退した。カメラマンだった夫の死亡後は宅建士の資格を取り現在は不動産会社の代表取締役だとのことだ。下の写真は2020年時点の上原ゆかりさんです。子役時代の面影が残っていてちょっとうれしいですね。出典:AsageiPlus

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